俺ガイル完 第6話「あらためて、比企谷八幡はかたりかける。 」ネタバレ感想

映像ならではの由比ヶ浜の存在感

俺ガイル完の第6話は、由比ヶ浜の涙で始まり、涙で終わる回だった。冒頭では観る側の回想として、ラストでは原作では描かれなかった慟哭として、それぞれ巧みに演出されていた。

ネタバレ回避のあらすじは以下。

あらためて、比企谷八幡はかたりかける。

脚本:大知慶一郎 / 絵コンテ:今井翔太 / 演出:平井義道 今井翔太 / 作画監督:飯塚葉子 江口麻里 佐藤 桂 堀 光明 山本真嗣

雪乃とは別なアプローチでプロムを考えると決めた八幡。
しかし、八幡が考えているプロムはあくまで
雪乃の案を通すため、当て馬としての代案だった。
「それ、あたしも手伝っちゃダメかな?」
八幡と結衣が考えるプロムとは?

https://www.tbs.co.jp/anime/oregairu/story/

いろはすに買ったマッ缶とおしるこの自販機は由比ヶ浜が号泣した場所

冒頭に由比ヶ浜の涙、と書いたが、別に回想シーンが出てくるわけではない。原作と同じく、生徒会室で雪ノ下に宣戦布告した八幡は、帰りにいろはすにどつかれ、自販機の前でおごりを強要される。

んっ!(おごれ)

原作だと自販機の前でだべる格好になる。アニメ版では場所を変えて公園の中だ。この自販機、学校前の道路を駅側に歩いて、最初の交差点を渡った先にある。そう、ここは由比ヶ浜が学校に戻る八幡から一刻も早く姿を隠すために身を寄せた、トタンの建物の脇だ。

第4回のラスト、由比ヶ浜を置いて学校に向かう八幡が振り返ったシーン。自販機がある

八幡はあずかり知らないところだが、観る側は由比ヶ浜の号泣を思い出す。え、思い出さない? つらいシーンが少ないのは良いことだと思いますホントに…

ネカフェでの終わり

今回のプロム話は、八幡が当て馬企画として派手プロムを作り上げるスタートラインまで。ファミレス(サイゼリヤ)に材木座と戸塚、川なんとかさんを呼び、原作ではさらに遊戯部の二人を材木座が召喚する。その後に、由比ヶ浜と八幡とでネカフェでの作戦会議に入る。

アニメ版では、遊戯部召喚は次回送りになったようだ。材木座が誰かを電話で呼び出そうとしている、というところまでで、いきなりネカフェ行きになる。そこからは特に改変もなく、参考資料としてプロムの映画を観るうちに、由比ヶ浜が八幡の肩にもたれかかる。

エンドロールでモノローグ

モノローグは原作通り。映像として、修学旅行の回想シーン、バラバラになってしまった奉仕部――下校する八幡、奉仕部の部室でプロムの企画を練っているかのような雪ノ下、部室の前で立ちすくむ由比ヶ浜――がそれぞれ挿入される。

奉仕部の撃墜マークの数で時期を特定できるはず。4話より前だろうか

由比ヶ浜のモノローグは、省略はあるがほぼ原文のまま。その省略も一部は次回予告で回収される。

一点だけ、大きな変更としては、「あたしに吐いている嘘」が「あたしについている嘘」になっていた。やや由比ヶ浜の本音感が薄れている。もっともモノローグの言葉は、音声にすると時にどぎつい。発話しないからこそのモノローグだ。アニメではこれでいいような気がする。

由比ヶ浜は涙をこらえたか

「知らないうちに溢れてきそうな涙もちゃんと止めるから」

という下りでは、溢れそうな涙が描かれる。

「だから、お願い」

「終わらせないで」

涙、止まらなかったのね…

遊戯部、遊戯部じゃないか!

はい。4話の特殊エンディングほどではないが、こちらはこちらで良い演出だった。原作ではあえての八幡視点で分からないことばかりだし、モノローグは独白ゆえに情景描写が少ない。その不足を補われたときの破壊力よ。

俺ガイルはBGMが耳障りなシーンが少なくないと感じるのだが、由比ヶ浜のモノローグはフルート主体でうまくハマっていた。環境音しか聞こえない沈黙の中で八幡が由比ヶ浜の寝顔(嘘)を見るシーンは、いつも無音で良いのでは?と思うシーンにまでBGMが付く俺ガイルの中で、ひときわ目立っていた。そうか。これか。八幡の物語なのだから、これでいいのか。

次回予告は、1期で省かれた遊戯部がついに登場、もはや癒しでしかない玉縄氏の姿も!

左が相模(弟)かな…?

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