無職転生 第12話「魔眼を持つ女」ネタバレ感想

アニメ初見組を斬り捨てたプロローグ

無職転生の第12話「魔眼を持つ女」は、ルディが魔眼を手に入れるエピソードを軸に、物語の展開を期待させる港町の豊かさ、ロキシー一行とのすれ違い、ルイジェルドとの絆の強まり、などを一気に詰め込んだ2クール目のオープニング回だ。

ネタバレ回避のあらすじは以下。

魔大陸最南端の港町・ウェンポートに到着したルーデウスたち。 3人は船でミリス大陸へ渡ろうとするが、スペルド族がいるという理由で途方もない渡航費用を請求されてしまう。 その夜、資金不足に悩むルーデウスの夢にヒトガミが姿を現すと、彼に助言を残していく。 翌日、ルーデウスが町の中を散策していると、お腹をすかせた謎の少女と出会う。

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ウェンポートの街並みを描く特殊オープニング

2クール目の最初は、海で遊ぶルディ一行のシーンから。水のしょっぱさに喜び、泳ごうとするエリス。服を脱ごうとするも、魔物が多い、と止めるルイジェルド。知識として知っているだけでなく、魔眼で魔物を検知できるので信頼性100%の警告だ。

オープニングは特殊バージョンで、第1クールと同じように魔大陸の街並みが描かれる。港町のウェンポートに着くロキシー、街並みを見るルディたち、魔大陸にしては豊かな市場が描かれる。別の大陸との交易地点なのでこうなる。

渡航費が絶望的に足りないルディたち

オープニング明け、港でのロキシーとルディのニアミスがチラッと描かれる。ミグルド族のロキシー・ミグルディア、長耳族のエリナリーゼ・ドラゴンロード、そして炭鉱族のタルハンドが船を降りて町へと向かう光景を背景に、ルディたちは船着き場のおっちゃんと話しをしている。

一瞬、ロキシーの声にルディが気づいた風な演出があるが、このシーンではここまで。ここで船着き場のおっちゃんが三人を見て「例のデッドエンドだろ」と声をかけてくる。その通り名は、狂犬のエリス、番犬のルイジェルド、ときて、飼い主のルージェルド、と名前を間違えられているルディだった。

ルディたちが船着き場で料金を聞くと、デッドエンドが「スペルド族を名乗っている」以上は、スペルド族の規定である緑鉱銭200枚がかかるとのこと。とんでもない金額らしく、一同驚愕する。「例のデッドエンド」は、スペルド族を騙って世直しをする一行と名が知れているので、ルイジェルドは本物のスペルド族ではないことになっている。なので「スペルド族を名乗っている」なら、という言い方になるのだ。

偽物だと思われているが実は本物のスペルド族なのでややこしい

モノローグの主客逆転で尺を縮める技に感心

この 「スペルド族を名乗っている」 という下り、名前を間違えられていることに嘆息するルディのモノローグの藤田ボイスの裏で、船着き場のおっちゃんによってサラッと説明される。

なぜかな、と思ったが、こう納得した。

尺を縮められ、ぼんやりと聞いていたら高額請求でびっくり、感が出る。そしてその演出のために生じた若干の不自然さを隠せるので、一石二鳥だからだ。

原作だと、このやり取りの舞台は冒険者ギルドと関所に分かれている。

まず、冒険者ギルドでは目的地のミリス大陸の貨幣と魔大陸の貨幣の価値の違いがサラッと説明される。魔大陸の貨幣はミリスの大陸のざっと10分の1の価値しかない。つまりギルドでの稼ぎが悪い。後で出てくる高額請求を支払うまでに時間がかかるという前振りだ。

次に、今度は関所の役人に種族によって料金が違うと言われ、ルディは正直に「人が2人とスペルド族1人」と告げる。その組み合わせで、最近話題のデッドエンドと見抜かれる。

役人は当然、スペルド族はハッタリのための騙りだと思っている。「(関所では)種族を調べられるから、見栄をはって緑鉱銭200枚を払っても無駄」と忠告してくれるのだ。実は本物なので偽って安く済ませられない、ということで全力でがっかりする。

アニメ版ではそこまで尺を割いて説明するのが難しいので、港の場面だけで「スペルド族は高い、渡航できない!」というシンプルなシーンとしてサラッと流しているのだろう。

1年ぶりのヒトガミ登場

話を戻して、ルイジェルドにかかる莫大な渡航費に落ち込むルディたち。Sランクの依頼をこなしても年単位で時間がかかる金額らしい。思わずエリスからのプレゼントである杖、アクアハーティア(傲慢なる水竜王)に目をやるルディだ。バカでかい魔石がはまっているので価値が高い(なので普段は布をかぶせて隠している)。

解決先が見つからないまま宿に着き、どうしようかと悩みつつ寝入るルディ。するとおなじみヒトガミと1年ぶりのこんにちは。お告げによると食料を買い込んで路地裏をうろつくといいらしい。

一夜明け、エリスとルイジェルドは剣の稽古に余念がない。ルディはヒトガミの助言に従って別行動だ。

様子をうかがうロキシーに気を取られ、一瞬気がそれるルイジェルド。そこにエリスが一太刀を入れるの成功。喜ぶエリス。

ルイジェルドとエリスの稽古をなぜか見ているロキシー

ロキシーはデッドエンドの噂を聞いて、その姿を拝みに来た。でもたまたまルディは別行動ですれ違いだ。

魔界大帝キシリカ・キシリスとの邂逅

ルディはヒトガミの助言に従い路地裏を屋台の食べ物を抱えて歩き回る。するとどこぞの家から喘ぎ声が聞こえてくる。特に説明は無いが、声を覚えていれば分かる。ロキシー一行のひとり、エリナリーゼさんだ。

そんなこんなで、道に行倒れている小汚いローブの人物を発見。8話以来の魔界大帝キシリカ・キシリスの登場である。魔界大帝を名乗る行倒れを、完全にアホの子扱いするルディ。食べ物を渡し、遊びに付き合う気で臣下の礼を取ったところ、ギョロギョロとキシリカの魔眼でスキャンされ、挙句キシリカから「気持ち悪い」という感想をいただいてしまう。はい。

原作だとここで気持ち悪い理由として「ラプラスに匹敵する魔力量」「生まれる前は双子で途中でどちらか死んだように見える」点を指摘される。

ラプラスは魔神ラプラスのことで、後で重要な役回りで出てくる。双子云々は転生の事情の一端になっている。アニメ版ではややこしい単語を増やす機会を極力抑えているようで、ルディが普通じゃない=転生者、であることを印象付ける「気持ち悪い」のひと言でいい気がする。

気持ち悪いのは、膨大な魔力がある上に生まれがよく分からんから

ルディはキシリカに富、世界、カラダ、の順に要求してみるものの、どうも魔眼が定番らしい。いきなりルディの右眼に手を突っ込むキシリカ。激痛とともに、予見眼を手に入れた、と説明は最小限である。

原作だと魔力眼、識別眼、透視眼、千里眼、予見眼、吸魔眼、と候補を軽い説明とともに挙げられてから予見眼を選ぶ、というシーン。これも豪快にカットだ。アニメ版のこのシーンだけ見れば、キシリカの魔眼といえば予見眼、という構図になっている。原作を知っている人は選ばされたのを知っているし、アニメの初見組はそういうものかと納得する。

おそらく第2クールはターニングポイント(2)まで到達するのではないか。アニメ初見組には単純化し、1クール目の全力で興味を持ち、本やWebで原作を手に取った人が分かる程度の説明で突っ走っていく気配がある。そうしないと終わらないし。

そんなこんなで宿に戻る途中に、ルディはある男を助ける。予見眼で建物の上から落ちてくる花瓶か何かが見えたので、思いっきり突き飛ばす。ルイジェルドとエリスに魔界大帝に会って魔眼をもらったことを告げるルディだった。

予見眼でエリスに勝つルディ

CM明け、1週間で魔眼を制御できるようになったとするルディ。エリスとの立ち合いでその効果を説明するシーンである。予見眼で先を見通そうとすればするほど像がブレ、確定するのはせいぜい1秒先とのこと。それでも効果は絶大で、立ち合い稽古でエリスに勝つ。

世界線が秒単位で分かれていくので制御が難しい魔眼「予見眼」

しかしルイジェルドにはボコボコにされるルディだった。

夜更けになり、エリスからの誕生日プレゼントである杖を売ろうとするルディ。渡航代を手っ取り早く稼ぐためだ。ルイジェルドに見つかり、杖を売る行為を咎められる。ルイジェルドはただ止めるだけでなく、悪事には目をつむるから、密輸人でも密輸船でも探せ、とルディを励ます。

ルイジェルドとの話が終わったところで、予見眼で助けた男が礼を言いたいと登場し、ガルス・クリーナーと名乗ったところでタイトルコール。エンディングに突入だ。

エンディングの最後に、ルディたちを綴った本を閉じる演出が。はい鳥肌来ました。原作読了組の琴線に触れまくり。

挿絵付きの本。これで鳥肌たったわ。叙事詩だな

次回は「すれ違い」

次回は「すれ違い」。既に今回でもいくつかすれ違っているので微妙なタイトルだ。ルディたちはある方法でウェンポートを出るのだが、その時にもすれ違い演出が来るのだろうか。

それとも「すれ違い」にもっと意味を持たせて一気にあの主要人物を出してくるのだろうか。第12話のペースを見ると、案外そうかもしれない。

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