無職転生 第19話「ルート選択」ネタバレ感想 アイシャの天才

無職転生の第19話「ルート選択」は、ヒトガミへの不信感を強調しつつ、今後のルート展開で鍵を握るアイシャとの関係の始まりを描く回だった。アイシャの天才は無職転生をドライブする要素の一つである。

ネタバレ回避のあらすじは以下。

ヒトガミからリーリャとアイシャの居場所を聞きだしたルーデウスは、シーローン王国の首都・ラタキアへとやってくる。 すると、街で兵士から逃げていたアイシャと遭遇したルーデウスはアイシャを救出し、なぜ兵士に追われていたか、そしてリーリャがどこにいるかを聞き出す。そして同じくシーローンの王宮で働いているはずのロキシーを頼ろうと考えるが…

https://mushokutensei.jp/story/19/

ヒトガミへの疑念、アイシャへの感心

1年ぶりのヒトガミのお告げ

アバンは1年ぶりのヒトガミさん。主人公(前世)は、前のお告げがもっとマシなら牢屋に入ることもパウロと喧嘩することもなかったと、ヒトガミに文句を言う。それでも、魔眼も手に入ったしと恩着せがましいヒトガミに、嫌々ながらも礼を言い、次の助言を求める。家族の居場所を教えてほしい、と。

ヒトガミは、家族と再会できたら自分を信用してほしい、という条件付きでお告げを授ける。ヒトガミのお告げは、アイシャ・グレイラットと会うことになるが名乗らず偽名を使え、シーローン王国の知り合いに手紙を出せ、というもの。

このお告げは、予見眼による映像付き。原作では10秒以上の未来を見た時のような、という表現のある吐き気とともに目覚めるルディ。このために魔眼を?とヒトガミにいいようにされる感がぬぐえない。

ヒトガミに何日も先の未来を見せられて魔眼が痛むルディ

ルディはひたすらヒトガミを疑う。この何を言われても信用しない、というのは大事な伏線なので、ヒトガミパートはひたすら胡散臭い。それがいい。

新曲「遠くの子守の唄」の特殊オープニング

ついに中央大陸に着いたルディたち。ミリスの時の「祈りの唄」から新曲の「遠くの子守の唄」にスイッチ。このOP曲を次々切り替えていく。奇面組か。

OP曲は3曲目。「遠くの子守の唄」

シーローンは稲作が盛んなようでおこわのようなおにぎりを食べている。エリスは美味しいと言うも、前世の日本米を知るルディとってはいまいちなようだ。

混ぜご飯のおこわのようなおにぎり。ルディは不満げ

原作だとおにぎりではなく、米から炊いて卵かけご飯を作る。黄色っぽいコメ、という描写があるので、アニメ版のおにぎりもおこわではなく玄米の描写なのかもしれない。

「ナナホシ焼き」はアニメ版ではカット

食事に関して省かれたエピソードに、七大列強五位の「死神」ことランドルフ・マリーアンの話がある。Web版から補強された挿話だ。

イーストポートでランドルフが営むレストラン、というか定食屋にルディたちが訪れる。ルディは出てきた「ドラゴン肉のナナホシ焼き」定食をこき下ろす。ナナホシ、はあと2話ほど先で出てくる人物だが、その名を冠した焼き物はいわゆる唐揚げである。前世の唐揚げを知るルディは、それと比較して徹底的にダメだしするのだ。

踏ん切りの付いたランドルフは、王竜王国にスカウトされ傭兵に戻る。ランドルフは出番がだいぶ先なので、アニメ版でのカットは妥当だろう。

シーローン王国でアイシャと遭遇

Aパートはシーローン王国の描写から。中央大陸の町だけあって立派な街並みだ。ルイジェルドとエリスに、リーリャとアイシャの情報収集の手伝いを頼むルディ。ヒトガミのことは言えないので、情報の出所を突っ込まれなくてよかった、と安堵する。

シーローンの街並みはちょっとシルクロード風

宿に着き、ロキシーに手紙を書くルディ。郵便を出すと、その玄関脇に手紙のようなものを持った少女が。その少女、ルディの後をついていく形になり、その少女を追う誰かにも気づくルディだった。

狭い路地裏に入り、土魔法で壁を作り追っ手を撒くルディ。えっ、なんで?と壁越しに少女の声。壁を消去するとヒトガミに見せられた予見眼の映像が眼前にあった。アイシャが兵士に捕まれている。

手紙を返して、と兵士に向かって泣くアイシャ。この人たちが無理やり手紙を、と泣きじゃくり、助けてください、とルディの許に駆け寄るアイシャ。

無詠唱で泥沼を出したルディに、王宮の兵士は「無詠唱魔術…?」と何か思い当るふしがあるようだ。呼び笛で追っ手をけしかけられるルディ。囲まれた、というところで、魔法で射出装置みたいなものを作り、空に飛びだすルディとアイシャ。アイシャは絶叫である。

飛んでいるのではなく人間砲弾である

原作では、土魔法で土槍(アースランサー)の先を平たくしたもので射出、という説明がある。さらに着地時にルディの両足は折れている。もっと言えばアイシャは恐怖でおもらししてパンツを洗うはめになりノーパンになってしまう。そのくだりでは、どんな場合でも家族には欲情しない、というルディの様子が割と丹念に描かれる。

アニメ版でも描かれているが、前世では姪の入浴画像で自家発電して兄にぶっ飛ばされている。

この近親相姦がルディにとって禁忌なのは、特に原作でも明言されないが呪いの一種だろう。前世の反省を生かす、というレベルではなく、感情自体が封じられている。これはもちろん、転生後の人生にとってはプラスに働く。

呪いか神子(みこ)かはメリット/デメリットで決まるっぽいので、ある意味ルディは神子なのかもしれない。神子の説明は来週には出てくるだろう。

兄を変態認定するアイシャ

助けた少女はさっきの未来視に出てきたアイシャである。深々と頭を下げ、ルディに礼を言うアイシャ。アイシャから名を聞かれると、シャドームーンナイト、と名乗る。原作の表記だと「影月の騎士(シャドームーンナイト)」で二つ名感がすごい。

6歳児とは思えない情報処理能力を見せるアイシャ。

アイシャはパウロに手紙を出そうとしていた。ルディはパウロ以外に頼れる人、青い髪のお姉さん(ロキシー)とか生き別れの兄とかはいないのか、と聞く。するとアイシャは、兄を信用していないという。なぜ?とルディが聞くと、家にあるルディのご神体=ロキシーのショーツを見て変態と判定済みだからだ。

その変態判定に至るまでの調査や計算を滔々と語るアイシャに、ルディは6歳にしては賢すぎると戦慄する。

まごうことなき変態ですっ!

変態判定を受けた兄ことルディに対して、本当の名前はなんというのですか?とアイシャが追い打ち。なんだか分かっていてやっている感がある。

本名は内緒ということで、ルディは通り名の「デッドエンドの飼主」を名乗って場を収める。

ルディは帰ってきたエリスとルイジェルドに偽名を使いつつリーリャを救いに城に向かう計画を伝える。既にアイシャは寝ている。と、夜更けなのに「今から襲撃ね!」と出かけようとするエリス、「城攻めは久しぶりだな」とボソッというルイジェルドさん、それぞれ戦士過ぎる。

アイシャがルディの後を追った理由

アニメ版では割愛されたシーンとして、アイシャが寝入るまでにルディと交わした会話がある。フィットア領からの転移の事情や兄、魔大陸の話などを話し込む。

省きすぎだな、と思ったのは、なぜアイシャがルディの後を追ったのか、という理由の説明だ。アニメ組はアイシャ救出シーンで、そもそもなぜアイシャはルディの後を追ったのか、という疑問がわくはずだ。

アイシャはこの時点でルディのことは知らない。脱走したアイシャは道に迷い、冒険者風の人に付いていけばギルドに行けるはず、と判断した。その結果の行動である。賢さエピソードの一つだ。

ジンジャーの案内でシーローンの城へ

一夜明け、王宮からジンジャーが迎えに来る。ロキシー殿がお呼びです、とのこと。ここで荷物一式を持っていくルディ。やけに荷物が大きい。原作によるとルイジェルド人形やお土産などが入っている。

忠臣のジンジャー。ただしパックスのではない

出がけに「ルーデウス!」と声を張り上げるエリスさん。おい!という顔になるルディだが、ルーデウスという名を聞かせたくない相手のアイシャはまだ眠ったままだ。

城に着き、部屋の前で杖と荷物を預けさせられると、扉の向こうから「入れ!」と男の声が。声の主はロキシーに何度か燃やされているアホ王子、シーローンの第七王子、パックス・シーローンである。

ロキシーからの手紙に出てくる王子がパックスさん

扉が開けられ、薄暗い部屋に入るとパックスの足元には猿ぐつわをはめられ、縛られたリーリャの姿が。トレードマークの眼鏡も無い。神は死んだ。

パックスの「落とせ」という声でルディの足下の板が外され、落とし穴に落ちる。

猿ぐつわは分かるのだが、なぜ眼もつむっているのかがアニメ版の謎

落とし穴の底には魔法陣が描かれ、出ようとしても見えない壁にさえぎられてしまう。突破しようと魔術を使うも、打ち消されてしまい戸惑うルディ。落とし穴の上からあざ笑うパックスによると、王級の結界で対ロキシー用らしい。

ここにロキシーはおらず、ルディはパックスからとうに離れたロキシーをおびき出すためのエサとして捕らえた、という。

ロキシーを性奴隷として5人の子を産ませる、とパックスは目的を語るも、ルディをただ捕らえるだけでロキシーが気付いてシーローンに来る、という見通しを語り、「(来るわけねぇだろ)」とルディに呆れられる。アホである。

テーマに深く関わってくる人物なので、この時点でのアホは伏線だ。自分はパックス絡みのエピソードは無職転生の根幹の一つだと思っている。

つのるヒトガミへの不信

アイシャに会い、偽名を使って親交を深め、ロキシーに手紙を送ったのに、二人の救出はかなわない。騙されたか?とヒトガミに疑念を抱くルディのモノローグで、今回はエンディングへ。

冒頭から最後まで、ヒトガミに対する不信感しかないルディ。見るからに胡散臭いのでアニメ組はまあそうだろうよとしか思わないところに、だいぶ先のターニングポイントへの伏線がある。

ヒトガミに関してアニメ版に期待しているのは、ルディ以外の人間からヒトガミがどう見えているのかが分かる描写があるのではないか、ということ。原作では、ヒトガミにはモザイクがかかっているので完全にいかがわしい。前世の主人公いわく「モザイク野郎」だ。アニメではどう表現してくるのか楽しみである。

次回は「妹侍女の生まれた日」

次回のタイトルは「妹侍女の生まれた日」。問題が解決し、妹、つまりアイシャとルディの今後を示す回になる。

で、その次はおそらく21話で、順当にいけば「ターニングポイント2」だろう。となると、Blu-ray収録の予定が23話までなので、22話でフィットア領に着き、23話でおそらく6巻を終える。分割2クールで6巻分。Web版でいうと6章まで終わる。Web版は24章まである。ざっくりあと6クールやらないと終わらない。

となると、アニメ版の話数は96話前後になる。分割2クールのペースなら、8年…?。まだしばらくは楽しめそうだ。

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