「その着せ替え人形は恋をする」のアニメ版12話は、1期の最終回。タイトルは「その着せ替え人形は恋をする」で、お互いが恋心を自覚したところで幕を閉じる。1期で原作コミックの5巻を消化。最近9巻が出たばかりで、2期のストックはまだ先だ…
ネタバレ回避のあらすじは以下。
STORY
https://bisquedoll-anime.com/story/?id=12
夏休みもいよいよ終盤。宿題が終わらない海夢からのSOSを受けて、新菜は海夢の家で勉強を教えていた。しかし、海夢が学校に置き忘れてしまった問題集があると分かり、取りに行くことに。二人きりの学校で、海夢と新菜は一緒に夏祭りに行く約束をする。そして、当日……。
STAFF
脚本
冨田頼子
絵コンテ
山﨑雄太
演出
平峯義大
作画監督
小林真平、田村里美、石田一将、山崎淳
小さい花火
アバンは、花火大会の音を聴きながら面相書きをしている新菜に、海夢からメッセージが着信するところから。
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「たすけて」となかなかびっくりな内容に驚く新菜、というところでオープニングが始まる。
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なお原作では花火大会の描写は無く、コスプレ衣装について考え事をしている、と言うシーンだ。この改変は、花火が重要なパーツのひとつになる最終話の構成に合わせてうまく後の伏線になっている。
海夢と宿題
要は夏休みの宿題が手つかずで、助けてほしい、と。夏休みの宿題を一緒にやるイベントの起動である。
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宿題を一緒にやっている際に、海夢が読モとして雑誌に載っている話に。
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一眼レフが欲しいので稼がないと、と決め顔の海夢であった。
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宿題の途中、休憩としてホラー映画を見ることになった二人。3作目が公開される直前なので、前2作を見よう、というノリで、別にホラー映画好きではない。割と怖がりなようで、表情はガチこわい、な風である。
このホラー映画の場面、原作ではもっと先の締めのエピソードだ。別にカットしてもよい気はするが、ここに挟みこんできたか、と納得した。なぜなら冒頭に花火のシーンを持ってきたということは、花火をクライマックスにして終わる、ということだ。
海夢とプール
宿題が終わった~と思ったら、海夢が数学の問題集を夏休み中の学校に忘れてきたっぽいことが判明。二人で学校に忘れ物を取りに行く。
その帰り、誰もいない学校のプールに立ち寄る二人。
足だけ付けようとする海夢は、見事に足を滑らせてプールに落ちてしまう。しかも、そのまま浮かんでこない。
慌てて新菜が引き上げ、びしょ濡れでプールサイドにたたずむ二人。
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友達と海に行っていたが「楽しめたんですか?」と聞く新菜に海夢は、砂浜に座り波を音を聴き、光り輝く水面を眺めているのが好き、と答える。
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自分でそう言いながら吹き出してしまう海夢は、「泳げないくせに海好きとか言ってんのヤバいかな?」と笑う。
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新菜は「俺も面相描き全然うまくできないのに雛人形が大好きです」と、海夢に共感してみせる。
場面変わって帰宅後の夜、冒頭アバンのリフレインかのように、面相書きをしている新菜。そこに来た海夢からのメッセージは、「数学ちゃんとやってるんだが~?偉くない?」というものだった。このカット、アニオリ要素である。
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海夢とお祭り&花火
宿題が終わり、薫に「楽しんでこいよ~」と見送られて夏祭りへと出かける新菜。この薫カットはアニオリで、薫のシーンがあるのは1期の最終回にふさわしい。
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海夢は浴衣での登場で、新菜はポーっとした表情になる。
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いつもの調子で「浴衣姿のうなじにベタにドキッとしちゃった系?」とからかう海夢に、いつものようではない新菜は図星であるかのように言葉を濁す。
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「(マジかっ~)」とドキドキモードの海夢である。
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花火大会が始まり、海夢と一緒に花火を見る新菜。
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挿入歌「君に伝えたいことがあるんだ」をバックに、これまで遠くで聞くだけだった花火大会に、今年は海夢と一緒にいて、花火の光と音を間近に見ている、とこの夏を振り返る新菜だった。
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花火大会が終わり、帰途につく二人。
下駄の鼻緒ズレで足を痛めた海夢をおぶっていく新菜は、この楽しい時間が終わることに寂寥感を覚えているようす。下を向く新菜の背で、海夢は
「来年は絶対気を付けてくるから」
と当たり前のように話している。来年という単語に、ホッとした表情を見せる新菜だった。
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と、ここでエンディングに突入するが、原作組は「えっ」と思ったはず。まさか…5巻の最後はカットか?と不安になりつつ待っていると…
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海夢と寝落ち
当然のように始まるCパート。クライマックスはさっきの花火シーンで、別に原作を知らなければあそこで終わっても何ら問題ない構成だ。
頭師を目指し閉じていた新菜の世界が海夢によって解き放たれ、海夢は新菜によってコスプレを望むクオリティで楽しめ、パートナーに成り得る人物と出会えた、というひと夏。アニメ版のCパートの味付けは、あくまで余韻である。蛇足にならない、このさじ加減が心地よい。
もっとも余韻こそ味わい深いのが名作の条件のひとつ。Cパートでは、家に帰り寝ようとしている新菜に、海夢から電話がかかってくる。ホラー映画の続きを見てしまい、怖くて眠れないらしい。
海夢は寝るまで会話したい、ということで、布団の中で、ベッドの中で、雑談をする二人である。
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寝落ちしそうになりながら
「…俺…今年は…楽しかったです…」
と言う新菜に、海夢は
「うん。二人で、いろんな事して楽しかったね」
と返す。
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電話口からは新菜の寝息が聞こえ始める。すると海夢は
「ごじょーくん、好きだよ」
と口に出し、「おやすみ。またね」と言って電話を切るのだった。
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その着せ替え人形は恋をする。
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またね
着せ恋、ついに最終回である。原作ではお祭り+花火大会→ホラー映画観賞会、という流れで、やや腰折れの感があるところを、アニメではエピソードを整理してトリのイベントが花火大会の状態でCパートで締めるという構成にまとめてきた。映像と音で演出できる花火という素材を最大限生かした最終回だった。
1期で原作コミックの5巻までを描いた、アニメ版着せ恋。原作と同じ構図を多用しながら、それでいて原作を超えられるシーンだけは思い切って演出するという、なかなか贅沢なアニメ化だった。原作の尺がそれほど長くなっていないのが功を奏した感があるので、タイミング的にも最善だったのだろう。
原作はようやく9巻が出たところではあるが、このペースなら早期の2期も期待できる。またね、で終わったのは、見ているこちら側へのメッセージでもある。
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着せ恋2期のつなぎ、と言ったら失礼だが、2.5次元の誘惑のアニメ化決定!、まだですか?
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