SAO アリシゼーション WoU 第15話「扇動」ネタバレ感想 疾走する脚本

現実世界を含む大戦へ

ソードアート・オンライン(SAO)アリシゼーションのWar of Underworld第15話「扇動」は、アリスの復活、シェータ&イシュカーンの共闘、シノン vs サトライザーの開戦、PoHの扇動による中韓プレイヤーの参戦、キリト復活を妨害する内通者の反乱と、膨大な要素を一気に見せる回だ。

ネタバレ回避のあらすじは以下。

アリスを連れ去ったベクタを追うベルクーリ。そして長い死闘の末、ベルクーリは秘剣・裏斬を繰り出し、ついにベクタを討ち倒す。だが、深手を負っていたベルクーリもまた、アリスの胸の中で息絶えてしまう。アリスは彼の死に胸を痛めつつも、《果ての祭壇》へと向かうことを決意する。

STAFF
脚本:中本宗応
絵コンテ:みうらたけひろ、森本育郎
演出:みうらたけひろ
総作画監督:戸谷賢都、鈴木豪、山本由美子
作画監督:小松沙奈、たかはし隆子、鈴木理彩、武佐友紀子、櫻井祐哉、キム・ゼヒョン、丸山大勝
作画監督補佐:久野紗世、松井瑠生
アクション作画監督:丸山大勝

https://sao-alicization.net/story/?id=15

前回、皇帝ベクタことガブリエル・ミラーを倒したベルクーリ騎士長。アリスは大敵を倒した対価としてベルクーリの死に納得しようとする。そこに、アリス保護のために飛行スキルで追いついたシノン。

果ての祭壇へ

アリスに追いついたシノンは、ベルクーリを前に間に合わなかったことを知る。確かに皇帝ベクタは倒した。しかし、それはアンダーワールドからのログアウトに過ぎないことを知っているシノンは、その事実を伝えた上で、アリスに果ての祭壇に向かうことを強いる。

非対称戦はいつも無常だ

ベルクーリの死は茶番に過ぎないのかと憤るアリスに、シノンは「キリトの苦しみも偽物だと、茶番だと言うの?」と返す。前回、キリトと再会したシノンが思いあまって抱擁してしまったシーンが、ここで生きてくる。

キリトが好き、大好き、とシノンさん。ゆきのんの友達になってあげて!

キリトやベルクーリは、アリスを助けようとした結果、傷つき、斃れた。そう告げるシノンの言葉に、我に返るアリス。飛竜に乗り、出発の準備を始める。

ここで、CMでも繰り返されてきたあの台詞。「私は……もう一度、この世界に戻ってこられますか。愛する人たちに、もう一度会えますか」とアリスはシノンに問う。その答えを持ち合わせていないシノンだが、「あなたが…無事でさえいれば」と断言してみせる。

果ての祭壇を目指すアリス

雨縁と滝刳、2頭の飛竜で果ての祭壇を目指すアリスを見届け、シノンは再度ログインしてくるであろう皇帝ベクタだった何か――かつてGGOで相まみえたガブリエル・ミラー――を待つ。

シェータからアドミニストレータへの謎かけ、その答えとは

ここまでがオープニング前。長めのアバンの後は、整合騎士シェータと拳闘士長イシュカーンのシーンから始まる。

無限にも思えるアメリカ人プレイヤーを、殴り、斬り、力尽きようとしている時、シェータは今回は手タレのアドミストレータ様からかけられた言葉を思い出す。

今回は手と声だけのアドミニストレータ様。良い

黒百合の剣を受け取った時の「切って切って切り続けなさい…その血塗られた道の果てには、あなたにかけられた呪いを解く鍵があるかも…しれないわ…」という謎かけだ。

その答えは、切りたくないもの、守りたくなるものを見つけた時。そのために戦い続けたとシェータはイシュカーンに語りかける。

互いの想いを戦いぶりで伝えるさなか、黒百合の剣は天命を使い果たし、迫るアメリカ人プレイヤー。寄り添ったまま力尽きる寸前の状態で、このシーンは終わり。

SAO、PKの悪夢再び

場面変わって、ALOからの援軍を得た囮部隊戦線。アカウントをコンバートした歴戦のプレイヤーを相手に、殲滅の憂き目に遭うアメリカ人プレイヤー。クラインを筆頭に、ALOのメンバーとの共闘で、気を奮い立たせるアスナさん。

日常

その時、アスナの眼前に、見覚えのある顔が。クラインは気づく。「ラフィン・コフィンの…PoH(プー)だ!」

VRMMO内の生死が現実世界と直結していたSAOで、PK集団として名を馳せたラフィン・コフィン(笑う棺桶)。そのトップが中華包丁風の武器を操るPoHである。ヴァサゴはPoHとして、SAOに参加していたのだ。

アニメではその本音は言語化されないが、ヴァサゴの母親は日本人の男に買われ、韓国人の子としてヴァサゴを生んだ。ヴァサゴは自らを含めたアジア人を恨み、その恨みをですゲームとなったSAOで果たす中で「果たし合い」の歓喜を覚えてしまった。

なぜPoHがアンダーワールドに…その絶望のさなか、聞こえてくる中国語と韓国語。ついに6カ国の大戦となった。

扇動される中韓プレイヤー

CM開け、中韓プレイヤー参戦の経緯が語られる。韓国・ソウル市のネットカフェでアミュスフィアをかぶるプレイヤー。

VRMMO内のメッセンジャーで、米中韓共同開発のVRMMOで、テストプレイヤーが日本人ハッカーに攻撃されている…とのメッセージが。

ガブリエル・ミラー参戦

場面変わってシノン。禍々しいログインエフェクトの中から姿を現した人影を見て「私は知っている…!」と恐怖する。

顔を見てはっきりと悟った人物、その名前は「サトライザー…っ!」。銃中心のVRMMO「GGO(ガンゲイル・オンライン)」の大会「BoB(バレット・オブ・バレッツ)」で2度トップに立っているプレイヤーだ。

登場後、いきなりシノンのフラクトライトに直接攻撃、心意のような力で太陽神ソルスのアカウントを難なく拘束するかのような描写で、このシーケンスは終わり。

オーシャンタートル

キリトのフラクトライト活性化のために、敵占拠下にあるメインコントロールをパイプシャフト途中の点検口から遠隔操作しようとする作戦が続行中。囮のロボット・イチエモン、パイプシャフトを降る比嘉と柳井。

メインコントロールでは、中韓プレイヤーがアメリカ人プレイヤーを上回る勢いでアンダーワールドにログインしていく様を眺めていた。アニメ版では、「こいつら仲が悪いのか?」と戦闘員のハンスに言わせている。

Web版や小説版では、クリッターの疑問にヴァサゴの独白をつなぐ形でもう少し確執が描かれる。クリッターは中韓プレイヤーを誘う仕掛けをしながら、数万規模での参戦は期待していなかった。「仲がよくないみたいじゃないか?」というクリッターの疑問に、ヴァサゴの「憎み合っているとさえ言える」という嘲笑で答える。当然、二人は違う場にいるわけなんだが。

イチエモンを侵入者として認識した実戦部隊が迎撃に出る。

PoHの扇動

ログインしてきた中韓プレイヤーに対して、PoHの扇動が始まる。テストプレイヤーは既に日本人によって殲滅され、ハイスペックな装備を管理者権限をハックして取り放題。こっちはデフォルト装備だけ。と煽る。

卑怯者め、という喊声で突撃してくる中韓プレイヤーを迎撃するALO/GGOプレイヤーだが、さすがに数が多い。徐々に損害が出始める。

暗黒騎士団(Lv1)

立ち向かおうとするアスナさんは、吐血するほどのダメージでクラインに止められる。のだが、原作だとその吐血は地形操作をしようとした副作用だ。巨大な防壁を作ろうとしたができなかった、という背景がある。ここは地形操作のエフェクトなりモーションなりが無いと分からないところだ。

ヴァサゴの哄笑に怯えるアスナさん

871こと柳井の反乱

ようやくパイプシャフトの点検口にたどり着く比嘉一行。いよいよだ。これでキリトくんを助けられる…と喜んでいる比嘉に、拳銃を突きつける柳井さん。ヤナイさん。871さん。えーっ、というかやっとか!という感じで今回は終わり。

コード871の謎がようやく解けそう

アンダーワールドと現実世界を俯瞰しながら戦況を提示してきた今回は、ともすれば細切れに感じるスピードで物語を進めていた。前回、

次回は「扇動」ということで、アンダーワールド大戦はさらに戦火を広げていく。Web版ではややダレた印象があった下りだが、さてアニメではどうなるか。

https://tricast.org/sao-alicization-wou-14/

と心配していたが、杞憂だった。じっくり描くべきは、アンダーワールドを出た後なのだから。

次回、「城之内死す」。的なタイトルの次回は、コード871である。アンダーワールドの進化に歯止めをかけてきたアレの正体がようやく明かされる。

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