ラストシーンが全力
ソードアート・オンライン(SAO)アリシゼーションのWar of Underworld第12話「一筋の光」は、リアルワールドのVRMMOプレイヤーが人界軍とダークテリトリー軍に割って入り殺戮を繰り広げる。最後にはついにシノンが降臨!というところで終わる、4月からの最終シーズンに向けた“引き”の回だ。ネタバレ回避のあらすじは以下。
ガブリエルの策略によって、暗黒騎士のアカウントを与えられた、現実世界の米国プレイヤーたち。
https://sao-alicization.net/story/?id=ep12
彼らは、次々と《アンダーワールド》にログイン、人界軍と闇の軍勢の見境なく《人工フラクトライト》たちを殺害していく。
殺戮集団の彼らが現実世界からログインしてきたプレイヤーだと気づいたアスナは、必死に止めようとする。
そして、それを対岸から見ていたイスカーンは、仲間の死に無関心な皇帝に怒りを覚え……。
STAFF
脚本:中本 宗応
絵コンテ:藤澤俊幸
演出:セトウケンジ、中重俊祐
総作画監督:戸谷賢都
作画監督:今岡 大、水野辰哉、武佐友紀子、丸山大勝、臼井里江、正木優太、鈴木理彩、秋月 彩
米軍(VRMMORPGプレイヤー)の乱入
まず前回のアメリカ人VRMMORPGプレイヤーのログインシーンからスタート。複数の赤い筋はまるで降り注ぐ核弾頭のよう。恐怖心をあおる。
そしてリアルワールド軍との戦闘に移る。今クールの最終話になる回だが、もはや作画に余裕がない。冒頭からアスナさんの腕の動きが不自然なのが気になる。コンテも練られていないのか、リズムが悪くただ並べたようなカットが続くシーンもあった。
と思いきや、アクションシーンになると打って変わって別作品になる。
ところが通常カットになると表情もデッサンもガタガタに戻る。とにかく不安定で見ていられない。万策尽きた感が伝わってきてしまうほどで、連続2クールは無理だこれ。
囚われるアリス
拳闘士隊がリアルワールドから参戦の米プレイヤー撃退を目的に人界軍と共闘しているうちに、単独で敵殲滅に走るアリスを皇帝ベクタがあっさりと拉致。一目散にワールドエンドオールターを目指す。スーパーアカウントなのでシステムコール無効、心意無効、である。
場面変わってオーシャンタートル。ヴァサゴが目を覚ますとアスナに地割れに落とされてから8時間後だった。8時間だとアンダーワールド時間では1年近い時間が…と焦るヴァサゴだが、米プレイヤー投入のために等倍加速に落とされているのでそこは問題ない。
ただ実時間で12時間後には自衛隊の特殊部隊が突入を開始するので、あまり時間に余裕がない。アンダーワールド内を加速すれば時間を伸ばせるが、等倍加速で無ければ米プレイヤーを参戦させられない。そこで一気に2万の軍勢をアリス追跡の人界軍の近傍に一気に投入して一掃させ、すぐにアンダーワールド加速に入る作戦を練るクリッター。
シノン降臨でクライマックス
アンダーワールド内に場面が戻ると、拳闘士隊との共闘もあって踏みとどまる人界軍。しかし多勢に無勢で押され気味だ。もはやこれまでか…というところでシノンが降臨。太陽神ソルスのスーパーアカウントでの参戦だ。
広範囲殲滅の攻撃で数千の米プレイヤーを消し去ったシノン。地表に降り立ったアスナが駆け寄ったところでエンディングに突入する。
エンディング後、当然のようにCパートがあり、STLルームに向かうヴァサゴが凶悪な笑みを見せたところで終わり。
次回は4月、最終クール
ここから最終クールは、アンダーワールド大戦の名にふさわしい混戦となる。再度ダイブしたヴァサゴは、アスナとキリトを狙う。シノンだけでなく、リーファも登場する。リーファさん、シノンと同時にログインしたものの天性のDOA体質によって別座標からの参戦だ。
アスナ、シノン、リーファの3女神が大戦の戦況を左右していく。
もっとも数がいなければ話にならないのがアンダーワールド。リアルワールドからはクラインほか人界軍側のVRMMOプレイヤーが参戦してくる。その数、原作通りならわずか2000。ただしコンバートアカウントなので少数精鋭ではある。ところが盛り返す人界軍の前に、さらなる別部隊の参戦が。大戦は拡大していく。
AIブームに乗る最終シーズン
アリシゼーション、というかSAO、というか川原礫先生の凄みは、アクセル・ワールドを含めて「ヒトとは何か」を考え抜いている点だ。そこが太郎呼ばわりされる他のハーレム系ラノベとは一線を画す。
アンダーワールド大戦の終結後、アリスは真性AIとしてリアルワールドに転生する。AIに人格を認めるか、ではなく、人工フラクトライト=脳であり、ヒトなのだ。
そこから終幕まで、また別の戦いが描かれる。アニメ組は蛇足と感じるかもしれない。そこをテンポ良くアニメにするにはかなりの才気が必要になるだろう。しかし作者が書きたかった結末を演出するには、ともすれば間延びする「大戦」を生き抜くキャラクター達をみっちりと描く必要があった。エンドレスエイトのように(えー
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