細かすぎて伝わらないモノマネ選手権

 今更ながら,コクーンが録り溜めていた「みなさんのおかげです」を見了。飛ばしとばし見ていると「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」にぶち当たる。次長課長の河本準一による「ジャッキー映画に出てくる店員」ネタがツボ。河本は松本人志の番組で「人志松本のすべらない話」で「犬のタロ吉」っつーネタで大いに笑わせてもらった。

 犬のタロ吉は,誰しもが一度は体験した動物の本能を見事に突いたネタだ。

 小学校の時,教室に迷い込んだ手負いの鳩を治療してしばらく飼っていたことがある。名前はポッポちゃん。奴は天井の蛍光灯に留まっては水平爆撃を繰り返すことから,主に偽善派女子による「頼むから守ってよ派」と,男子と偽悪派女子による「自然に還れ派」の抗争が絶えなかった。これに目立ちたがり屋による焼き鳥にして完全に土に還す「完全に自然に還れ派」が加わり,鳩の餌やりとディスカッションの機会には困らない生活が続いた。

 ポッポちゃんは成長し,人の頭の上に留まり爆撃するという急降下爆撃を習得した。ここにおいて,被害者が続出した頼むから守ってよ派が動揺。他派からの切り崩しを受け,少数派に転落していった。完全に自然に還れ派がウケなくなるほど日常化した教室内鳩飼育に飽きていた自然に還れ派は速やかに行動に出た。鳩をベランダに出し,飛び立たせようというのだ。

 ベランダに出た鳩は,頼むから守ってよ派がいなかったかのように,何事もなくくすんだ空に舞い上がった。お返しはない。あるとすれば,各派の議論から恋が芽生え,そして消えていったことがろうか。そんなことを,犬のタロ吉は思い起こさせてくれる。

 ちなみに完全に自然に還れ派は,動物飼育ネタで注目を集めようとする運動を止めず,後に「ザリガニの水槽におたまじゃくしを入れて大虐殺事件」を引き起こし粛正された。

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