アニメンタリー決断

 コクーンにまた面白い番組が入っていた。その名も「アニメンタリー決断」。ターニングポイントでの指揮官の決断を切り口に,真珠湾から沖縄水上特攻までの太平洋戦争を描いたアニメだ。「アニメンタリー?ぷぷ」などと舐めてかかったら,OPの歌からしてキテる。「勝っておごるな敗れて泣くな」「知恵を巡らせ頭を使え」。座して見るとこれがなかなか良くできている。

 今のところ真珠湾攻撃とミッドウェー海戦・前編の2話を見た。先のことは分からないが,第二次大戦に関する書籍を戦史から異説に至るまで乱読をした私でも「そうそう」と思いながら安心して鑑賞できる。児玉襄氏が監修をしているのが功を奏しているのか。

 真珠湾は第三次攻撃の是非でもめる。どちらを善とするでもなく,戦果の拡大,艦隊保全,燃料不足などなどの要素を登場人物に語らせながら,撤収を決断する南雲にフォーカス。テロップで人物名が出ないので,戦史を知らない人は戸惑うだろう。でもって「目的を達したら去るのが指揮官の役割」なんていう感じのナレーションで第一話完。そもそもの目的が曖昧だから判断つきかねる,と視聴者に思わせるための仕掛けか。ただ軍オタ以外にはハァ?で終わってしまうような。

 ミッドウェーもなかなか良くできている。赤城・加賀・蒼龍の3空母大破後,「後5分早ければ!」という嘆きに対して「5分じゃない,2時間前に勝機を逃がした」とたしなめる山口多聞でクライマックス。良い。そもそも5分で全機発進できる体制ではなかったと何かの本で読んだ。半藤一利の本だったかな。利根4号機が早く飛んでれば…というシーンはなかった。定刻に予定通りの索敵をしたら接敵できなかったことを知っての脚本だったら凄いな。

 いちばん笑ったのは,利根4号機「空母らしきもの」の報告に,「らしきものとは何だ」という参謀に対してボソッと「口癖でしょう」という幕僚。史実かどうか分からないのだが,なるほどと思った。とにかく良くまとまっている。

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