無職転生Ⅱ 第3話「急接近」ネタバレ感想

無職転生Ⅱ第3話「急接近」は、小説版の7巻を見事に映像化した「第一部-完-」な回。ルーデウスはサラと破局し、ゾルダートと冒険者として再出発する。注目はサラとのデートで買った「短剣」の扱いだ。

ネタバレ回避のあらすじは以下。

ルーデウスがサラの命を救った一件以来、サラの接し方も変化し、2人の距離が近くなった。新しい短剣を買いたいとサラに誘われたルーデウスはデートへ。楽しく買い物をし、酒場で語り合う中で雰囲気が高まる2人。エリスが頭をよぎりながらも、サラの自分への態度を受けてルーデウスは意を決する…!

https://mushokutensei.jp/story/2-03/

急接近その1:サラ

アバンは、カウンタアローと一緒に酒を飲むルーデウスから。前世の男のモノローグで、「泥沼のルーデウス」として次第に名を馳せ始めたことが語られる。

急接近その1は、サラである。

魔術師のロキシーを家庭教師に呼んだのだと話すルーデウスに「…その人、女の人?」とやきもちを妬く。

ルーデウスに腰を寄せ、近づき、短剣の購入を口実にデートに誘う。その様子を、微笑ましく見るメンバー。

そしてオープニングに突入し、町を歩き、短剣を買う。小説版では、短剣を用途別に2本買うことになり、資金の一部をルーデウスがサラに貸す、という形なのだが、アニメ版ではそれぞれ短剣を買ったような描写になっている。

なおCM突入後の番組提供が鬼の形相のルディで、いきなり不穏過ぎる。

Aパートは、デート帰りの二人から。

一杯やっていると、「あんたの部屋、いってもいいかな…?」とサラの殺し文句がさく裂。意味、分かってて言っているんだろうか、と前世の男、藤田ボイスで葛藤するの相変わらず面白い。製作スタッフは変わっても声優は変わらんからね。

ルーデウスの部屋で、サラが助けてくれたことに対する感謝を改めて伝え、「だから…その……いいよ」とつぶやくサラを押し倒すルーデウスだった。

だがここで、ルーデウスは重大な違和感に気づく。性的興奮に伴って血流が増した結果であるところの生理的事象が起きない。EDである。

「…最悪」との言葉を残して去るサラ。

「寒い…」とつぶやくルーデウスの後ろ姿でCM入りだ。酒瓶が映っているが、小説版では気を紛らわすためにこれを飲む。

なお小説版では、ことに及ぶ前にルーデウスは一滴も飲んでいないのだ。これは飲酒による不全が理由として読者の頭に浮かんでしまうと、ルーデウスまたはサラがこのシーンで描かれるほど深刻にならないのでは、という疑念を招いてしまう可能性を減らすためだろう。この注意深さはアニメ版には無く、普通にルーデウスは酒らしきものを飲んでいた。

急接近その2:ゾルダート

CM明けのBパート、しょんぼりと酒を飲んでいると、ヘラヘラ笑いやがってと、ゾルダートに絡まれるルーデウス。これまで笑みを浮かべて争いを避けていたのとは異なり、一発入れた後に馬乗りになり、頬を殴る。「嫌われないために笑ってるんだよ!」と初めて胸の内を声に出すルーデウス。

ガキをいじめてやるなよ、とたしなめられるゾルダート。「まあ話してみろよ」と子供をあやす親のように、ルーデウスに経緯を聞く。

話始めたルーデウスが「僕」と切り出すと「俺でいい」というゾルダート。不能になってしまったこと、エリスの失踪で心に傷を負ったことを打ち明け、ルーデウスは徐々に心を開く。

ゾルダートのアドバイスは、プロに任せてみようぜ、というもの。そこでゾルダート行きつけの高級娼館に出向く。

そこで出会うエリーゼという赤毛の娼婦、小説版ではエリスに少し似ている、という感想を持ったことが描かれている。

場面変わって事後。といっても症状は改善せず、肩を落として戻ってくるルーデウス。女性への恐怖心があるようだと優しく見解を話すエリーゼさん。

アニメ版の良演出、短剣とサラとの破局

夜明けで娼館も店じまい。帰りしなに、ゾルダートはルーデウスの心の準備ができていなかったのでは?と自分の見解を話す。

まだ酔いが醒めていないルーデウスは、早朝の町中でサラに悪態をつく。ところがそこに、冒険に出ようとしていたサラとスザンヌが。

サラはルーデウスの頬を張り、一緒に買った短剣を投げ捨てると、二度と顔を見せないで、と去る。あんた、それはないよ、とスザンヌ。

するといきなり、目の前にある短剣を抜刀し、のどに突き立てようとするルーデウス。瞬時にゾルダートが短剣をはじき、たしなめる。

小説版でも、ルーデウスは早まろうとする。しかし使うのは自分のナイフだ。アニメ版では、一緒に買った短剣を目の前に投げ捨てられ、その短剣を手に取る。

そうだよ。サラはルーデウスと気まずくなったものの嫌いになり切れず、短剣を腰に下げて冒険に出ようとするだろう。二度と顔を見せないで、と言う時に思い出の品を叩きつけるだろう。

小説版の7巻は、ルーデウスが魔法大学に入学するまでの心のひだを深く刻み付ける、なろう原作の良くも悪くも軽い描写を補う重要なピースだ。描写が軽いからショックが薄い、というわけではなく、ルーデウスの軽妙さは心の内の号泣でもある。それが人間だからね。その7巻の重みをアニメ版でどう魅せてくるか楽しみにしていたが、これは良い脚本だったのではないか。

急接近その3:エリナリーゼさん

サラに振られたルーデウスを、俺たちと来るか?と誘うゾルダート。腹の底が知れたなら、嫌う理由が無い、と言うゾルダートに、ルーデウスは意外といいやつなのかもしれない、と思い直す。

「行きます。連れて行ってください」

ここで黒バックにスタッフロールが流れるタイプのエンディングに突入し、ムスビメが流れる。自分の意志を取りもどすまでの2期エピローグの完結ということだろう。

その特殊エンディングの声の出演にエリナリーゼ・ドラゴンロードさんの名があったので驚きは無いもおの、次週につなげるCパート突入である。

酒場で泥沼のルーデウスの話をする冒険者が二人。その二人に、話を詳しく聞かせてくれる?とにじり寄るエリナリーゼさん。思い出せない冒険者さん、エリナリーゼさんの身体を好きにしてもいい、という交換条件に、バシャラントの第三都市、ピピンだと記憶をひねり出す。

「ようやく見つけましたわ」でエンディング。遂に交差する。

次回は「推薦状」

次回は「推薦状」。魔法大学からの推薦状が届く。

コメント

タイトルとURLをコピーしました