ブラーバジェットm6 長期使用レビュー、使って分かったフローリング向けロボット掃除機の意外な弱点とは

ブラーバジェット240ユーザーは失望するかも

まだMintと呼ばれていた頃から使っていた床拭きロボット掃除機も振り返れば3台めである。初代はMint 4200、二代目はBraava Jet 240(ブラーバ ジェット240)、そしてBraava Jet m8(ブラーバ ジェットm6)を2020年8月にお迎えした。こいつはクセのある問題機で、使いこなすまで時間がかかった。これまでに修理交換すること3回でようやくまともになった。


ブラーバ ジェットm6は、オートマッピング機能を搭載するロボット掃除機だ。ブラーバ ジェット240と比較して

メリット:
・自動マッピングで迷いが無い
・充電用のホームベースがある
・パッドのごみ捕集力が上がっている

デメリット:
・大きい
・ややうるさい

・乾拭きだけだとホームベースから出られなくなる

静粛度では初代が最強なので、その流れをくむブラーバ390jにしたほうがよい。

見劣りするが改善傾向にあるオートマッピング

オートマッピングはm6からの機能で、ロボット掃除機では定番の機能である。ところがm6のオートマッピングは光学カメラを使ったビジュアルマッピングなので、暗闇では効果を発揮しない。夜間に掃除させたい人は要注意だ。照明つけろ、ってFAQに書いてあるので絶望する。冬の早朝とかでも迷うので、レーザーを使うLiDARによるマッピングに比べるとおもちゃ同然だ。

LiDARのマッピング機能を使ったことがある人は分かると思うが、360度回転するレーザーで素早く的確に部屋の形を把握していく。これに比べるとm6はもっさりで、しかも間違えて覚えたマップの修正ができない。進入禁止エリアで「削る」ことはできるが、足りない部分を足すことはできないのでやり直すしかない。

2020年8月の購入当初はファームウエアもスマホのアプリも貧弱で、かなりストレスがあった。いつごろからかややスムーズに再マッピングするようになり、少しは賢くなってはいる。比べる相手がマッピング無しのブラーバジェット240に比べれば便利なのは確かだ。

(2021.09.18追記)ファームウエアアップデートで劣化

しばらくしてマップを見直してみたら、椅子の足で引っかかるようなスペースに知らない部屋が誕生していた。しかもその異次元部屋を掃除しようとする。学習するほど掃除にかかる時間が増えていく。さすがだ。

アップデートは良いことばかりではない。学習するほどアホになる子もいる。m6はそういう子なので我慢しよう。

スケジュール機能を台無しにする、充電用ホームベースの構造的欠陥

充電ベースに、充電時にタイヤがはまるくぼみがある。このくぼみにストンと車輪が落ちると充電端子同士が触れ合う。位置合わせ用だろう。このくぼみが原因で、ブラーバジェットm6がホームベースから出られないことがある。

特に乾拭きだけで使っているとタイヤの摩擦力が少なくなり、起動失敗が多発する。開始直後にホームベースに戻ってしまい「充電中」のまま停止してしまう。

起動直後に反抗奴

修理1回目:改善せず

タイヤの不具合かと思い、修理に出したところ「左右車輪交換」という修理内容だった。ただ構造的欠陥なので、すぐに再発した。梱包の手間返して…

改善策はいくつかある。どれもイラっとする。

  • タイヤをウェットティッシュで毎日掃除する(でも効果ない)
  • 水拭き運用してタイヤのホコリが落ちるようにする
  • ホームベースのくぼみに粘着力が弱めの両面テープを貼る

ホームベースのくぼみには申し訳程度の凸ラインが入っている。タイヤの溝とかみ合う効果を期待しているのかもしれないが、くぼみの円弧に対して3つ。タイヤの溝の間隔と合っていないので意味がない。むしろ接地面積が減るので悪影響と言える。固めのタイヤではむしろ接地圧が低下して摩擦力が大幅に低下する。

以上は修理の際に指摘したものの、特に言及はなかった。ファームウエアのアップデートで起動直後に充電状態になった場合はリスタートを試みる改修でも直りそうだ。前にMintのファームをいじろうとして即死させたのでうかつなことはできないが…

前のブラーバジェットや通常ブラーバ(Mintと呼ばれていた製品の系譜)ではタイヤはウレタン系だった。ボロボロと削れていくのでそれはそれで困ってはいたが、m6でも同じ素材であればホームベースから出られなくなることはなかっただろう。

修理2回目:直った?と思ったが気のせいだった

2回目の修理では、本体とホームベースが交換になった。修理報告書は「制御基板に不具合が認められた」とのことで新品である。製造番号ごとにマッピング情報を管理しているようで、イチから学習し直しだ。

修理報告書に「もう一度登録しなおしてね」的な紙ペラ1回が添付してあった。操作案内のUI名が今のiRobotアプリと全然合っておらず、画面で見ているものと案内が一致していないと詰む人にとっては地獄ではないか。自分は別に「アップデートで変わったのね、基本用語をポンポン変えるオシャレIT企業()と同じだね」くらいにしか思わないが。

学習機能自体は確実に進化しているようで、前よりもマッピング清掃はスムーズに終わった。2日くらいは正常に起動して、ハードの初期不良だったのか、そうかそうかと納得していたものの、すぐに再発した。

エラーは変わらず。「タンクに水を入れる必要があります」。まあ、そうだよね。起動失敗はともかくエラー診断が変なのはファームウエアの不具合だもんこれ。

乾拭きのはずなんですが…

修理3回目:交換しか能が無いサポートに絶望


はい。当然直ってないです。なのでまたサポートに連絡。またまた定型のメールをベースにした引き取りの案内が来る。

もういい加減面倒なので、重りとして水を入れっぱなしにする運用にした。乾拭きでも水タンクを空にすると空拭きになる。

要するに、iRobotが買収して得た技術者とその知見はもはや傍流なのだ。設計思想を理解せずに仕様を変更するとこのような事態に陥る。

iRobot社の得意とする技術なので、ランダム動作のルンバの方がまだ利口だ。だいたい精度が低いからホームベースのくぼみなどという物理的な位置決め機構が必要になる。

安定して使う回避策のまとめ

  • タンクに水を入れっぱなしにする
    • →重くなるので摩擦力が上がる
  • タイヤをウェットティッシュで毎日掃除する
    • →タイヤのホコリが落ちるので摩擦力が上がる
  • 水拭き運用する
    • →タイヤのホコリが落ちるので摩擦力が上がる
  • ホームベースのくぼみに粘着力が弱めの両面テープを貼る
    • →問答無用で摩擦力が上がる

この辺りが自衛策になる。楽をするための機械で面倒を強いられるこの憤りよ。

(2022.01.03追記)ホームベースから出られない病が再発

自衛策のうち、水タンクを常に満杯にしてグリップ力を上げる方法でしばらく安定運用していたら、1週間ほど連続して乾拭き運用したときにホームベースから出られずに掃除をしてくれない症状が再発した。

エラーメッセージが賢くなった。言い訳がうまくなったともいう

前は「タンクに水を入れてください」とかいう謎エラーメッセージだったのが、「充電ステーションからの出発時の問題」という分かりやすいメッセージに変わっていた。だからといって症状が改善するわけでもないが。

とりあえずタイヤとホームベースを濡れぶきして様子をみている。まあ三日に一度はウェット運用すれば改善する気もする。でも冬はそんなにウェットモードで動かしたくない…

(2022.04.22追記)両面テープ法に移行

毎日拭かないとホームベースから出られなくなってきた。おそらく、タイヤが摩耗してきたのだろう。先代はウレタンやゴムだけを互換品で安価に交換できたが、m6はたぶん修理扱いになる。

なので、両面テープをホームベースのくぼみに貼る方法でしのいでいた。「いた」と過去形なのは、2週間1980円のレンタルで試した「Roomba J7+」が割と好印象だったので、そちらに移行しようとしているから。ただレンタルはいきなりのフィルター欠品で動かず(業者はRentioなのでiRobotは無罪)、買ったらいきなりエッジブラシ部がキュルキュル音を発するという初期不良で返品中だったりする。あのさぁ… これらは別記事でまとめようと思う。

しかし吸い込み動作のあるロボット掃除機に比べて圧倒的に静かであり、スケジュール機能を求めると選択肢がm6しかない。初代Brravaがスケジュール対応してくれると最高なんだが…

先代ブラーバジェットもスケジュール機能は無いのである。

工夫して使う度量も必要と諦めて改善に期待したい。

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