この世の果てで恋を唄う少女YU-NO 第20話 「ラファエロ砂漠へ」ネタバレ感想

YU-NOアニメ版、異世界編3話目で現代編とのリンクが始まる。原作では弱かった帝都を目指す動機が、神奈ちゃんシナリオであるところのアニメ版ではうまく補強されていた。

現代編とのリンクを回復する転換回

前回の19話では、セーレスとユーノと共に人生を獲得するたくやが描かれた。

今回は、セーレスの死とユーノの喪失、現代編とリンクするオブジェクトとの邂逅が描かれる。原作に比べると、たくやの動機が明確になっている感があった。

原作より強いたくや

前回の続きから。組み敷かれるセーレスを前に激高するたくや。いきなり帝都兵の一人を一閃の下倒してしまう。

ボーダーを守っていたので経験値多め

原作だと、丸腰のまま対峙してあっけなくやられてしまう。無力感に苛まれ、しばらく茫然自失とする。確かにボーダーには怪物が出まくるのだから、常に帯刀しているだろうし剣技もそれなりになっているだろう。これはリメイク版由来かアニメ版オリジナルか分からないが、一人くらい倒してもいい。

一人を倒した後、残りの三人のうちの一人に反撃をくらうのだが、なぜか背負い投げ。狭い部屋で抜刀しにくかったからかね。斬られたらいきなり斬り返すのが作法というものではないか。

さらに非殺傷兵器のボーラ(紐の両端に重りを付けたアレ)で追い打ちをかける帝都兵。足と両腕をがんじがらめにされ、身動きが取れなくなるたくや。神帝から関係者の生け捕りでも命じられているのかと思いきや、次のシーンでたくやに斬りかかろうとする。

もしかして剣、持ってないの…?

その様を見ていたセーレス、帝都兵から短剣を奪い取り、帝都兵とたくやから距離を取る。「ケアレス様、何を!」と止める帝都兵。ケアレスというのが本当の名前らしい。やおら奪い取った短剣を我が喉元へ突きつける。止めるたくやと帝都兵を前に、自害してしまう。

こうして
こう。絶望

場面が変わって、森の中にたたずむユーノとクンクン。そこに自死したはずのセーレスが近づいてくる。「私とあなたは一つになるのよ…」とユーノを抱きしめるセーレス。そのまま静かに霧散する。巫女の資格を受け継がせた、ということなのだろう。

リフレクターデバイス=神器

セーレスの亡骸を前に絶叫するたくや。帝都兵は亡骸を帝都に運んでいく。家捜しで見つかってしまったリフレクターデバイスも、帝都にあるべき神器として持ち去られてしまう。

原作だと、別にリフレクターデバイスは出てこなかったように思う。ここでリフレクターデバイス、すなわち神奈ちゃんを救うための重要アイテムを奪わせることで、取り返しに行く動機が強まった。

原作では、セーレスの件について神帝に土下座させてやる!、というような動機でラファエロ砂漠に旅立つ。セーレスは帝都兵に陵辱されてしまうし、舌をかみ切って自害した後は用済みとして放置される。

アニメ版では帝都兵が亡骸を移送してくれるが、原作では捨て置くだけだ。お墓はたくやが作っている。セーレス喪失のショックが強烈なだけに、原作の帝都を目指す動機はそれだけでも十分ではある。

しかしアニメ版、リメイク版もそうだろうが、全年齢版だけにやや衝撃が弱い。アニメ版の、神帝をしばき、神奈ちゃんを救う、という目的の方が納得感がある。

やや残念になった神帝とたくや

帝都兵は神帝に経緯を報告。神帝はケアレスの血を受け継ぐ娘を探し出せ、と命じる。

神帝「巫女といた男は?」
帝都兵A「今頃、砂漠で朽ちているころです」
(えっ、なんで砂漠?)
神帝「そのものは何者だ」
帝都兵A「素性は分かりませんが、巫女はたくや、と呼んでいました」
神帝「…たくや…」
(はい伏線です)

何か話が前後しているが、ラファエロ砂漠に旅立つ準備を進めるたくやとユーノ。クンクンはおいて出発する。出掛けにクンクンにスカーフを巻くたくや。伏線なので覚えておきましょう。

途中で蜃気楼に喜ぶユーノとそれをたしなめるたくやの図が出てくるが、その説明が「光の屈折で見える幻さ…本物じゃない」ときたのでちょっとがっくり。

絵コンテに蜃気楼って書いてあるからって…

作画は完全に街なんだよね。屈折で見えてるんだから、距離はさておき遠くにあってもおかしくない。初見のラファエロ砂漠なのだから、たくやも喜ぶのが自然なのでは。せめて湖くらいにしておけばよかったのに。

途中で馬?が力尽き、食料として食べるたくや達。ここで水と食料が尽きたという描写があり、砂嵐の中を走るたくや。幸運にも本物のオアシスにたどり着く。

原作だと一瞬雨が降って、次にオアシスを見つける運びなのでまあご都合主義ではある。ただアイリアが徒歩1週間で帝都、と言っていたので、それほど無謀な感じはしない。そっちはユーノが足手まといになって水が尽きる、というシナリオだった。

役割が変わったサラ

オアシスに着くと、なぜか水浴びする女が全裸で登場し、いきなりのヘンタイ呼ばわり。食事中にサラと名乗る。ここからサラとユーノが泳ぎまくり、しばらく円盤の販売促進シーンが続く。

流れで同行するサラ。「神帝をぶん殴るなんて言うやつは放っておけない」という。

良い笑顔だ

砂漠の中にあった謎の神殿に対して解錠スキルを披露するサラ。たくや達を中に引き入れると、実はたくやの手配書を見て探索していた賞金稼ぎだと明かす。帝都兵一個小隊に捕まってしまうたくや達。

ちょっと前にサラが手配書を剥ぎ取るシーンがあった。良いドヤ顔だ

ユーノは巫女の後継者として帝都に連行。たくやは採掘場、すなわち強制収容所行きとなる。聖なる石が手に入る、と喜ぶでもなく、ぐったりして列をなす収容者と共に歩くたくや。ふと目をやると、見たことのある尖塔が。

忘れてないよね?

21話は「悪魔の支配する採掘場」

20話はたくやの「…あれは!」でエンド。ここで聖なる石のことを思い出すのかね。神奈ちゃんシナリオの途中なので、そうで無ければ破綻する。

次回は現代編との接点を伺わせながら、収容所からの脱出行を描くはず。逆算すると、あの衝撃シーンで終わるのかな。

エンドカードも良い笑顔

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