ER-第209回「悪夢再び」（FREEFALL）

　ERをまともに見るようになった。それまで何となしに救急治療の部分のみを見てよしとしていたのだが，子供ができてからそれ以外の部分も脳が受け付けるようになった。銀河英雄伝説で会戦シーンだけを読んでいた小学生時代を思い出す。

　で，たらたらと録り溜めたのを今更見ていて第209回「悪夢再び」。原題はFREEFALL。落ちてくるのはヘリ。この話には驚いた。

　片腕をヘリのテールローターで切断してしまったロマノという外科医が，屋上からの離陸に失敗したヘリの下敷きになって死ぬ。ロマノは容赦ない嫌味を浴びせかけるのが人格の中心という人物で，腕を無くしてからは嫌味が人格そのものだった。当然ER中の嫌われ者。

　冒頭でヘリの事故が起き，落下途中で爆発。フロアが火災になり，ERは騒然となる。それに対する治療をメインに話は進むが，ヘリの下敷きになったロマノがいないことに誰も気がつかない。最後にヘリを下をのぞき込む救急隊員のシーンで終話。落下炎上したヘリの下は跡形もない。

　　助かった，と思うのは作中のERメンバー。次回ではロマノの葬式があるのだが，誰もスピーチをしたがらない。「良いところを見つけてスピーチしてちょうだい」。そんな依頼がたらい回しにされる。

　ロマノが優しさをにじませるエピソードを見せられている視聴者はたまったものではない。まるで試されているような気分だ。次回はもっと後味の悪い話をお願いしますと思いました（棒読み）。