もう一つのタブー、ガブリエルの闇
ソードアート・オンライン(SAO)アリシゼーションのWar of Underworld第4話「ダークテリトリー」は、NSAによるA.L.I.C.E計画強奪という大目的のうち、指揮官のガブリエルが抱える心の闇の部分を回想とともに描く変態心理回だった。ネタバレ回避のあらすじは以下。
ダークテリトリーの暗黒騎士団を率いる騎士団長シャスターは、アドミニストレータが死んだことを機に、人界へ和平を持ち掛けようとしていた。しかしその試みは皇帝ベクタの暗黒界帰還によって打ち砕かれる。ベクタのアカウントを使って《アンダーワールド》にログインしたガブリエル。彼は《A.L.I.C.E》を見つけ出すため、闇の軍勢たちに向かって人界との全面戦争を指示する。
脚本:木澤行人
https://sao-alicization.net/story/?id=ep04
絵コンテ:古田丈司、菅野芳弘
演出:中山奈緒美、佐久間貴史(st.シルバー)
総作画監督:山本由美子
作画監督:大高美奈、丸山大勝、古住千秋、今岡 大、宮本武史、チョン・ヨンフン、世良コータ、鈴木理彩、水野辰哉、山本由美子
第4話はダークテリトリーにダイブしたガブリエル一行の掌握と粛清の回。人界との戦争を繰り広げる敵陣営の戦力を紹介しつつ、ガブリエルが抱える闇を描く。
ガブリエルは皇帝ベクタとしてアンダーワールドにダイブした後、人工フラクトライトを持つアンダーワールド人の街の明かりを見て「あのすべてが魂を持った人間だというのか…」と独り言つ。子供のころから魂の存在に執着を見せるガブリエルは、幼なじみのアリシアの魂までこの手にしたいと思いを募らせる。
ダークテリトリーの手ごまとなる軍団に対して、人界との戦争を宣言して士気を上げるベクタさん。平地ゴブリン、山ゴブリン、ジャンアント族、オーガ族、オーク族、拳闘士ギルド、暗殺者ギルド、商工ギルド、暗黒術士、暗黒騎士団の10部族。
部族との謁見を終え、私室に戻るガブリエルとヴァサゴ。コンソールを使ってアンダーワールドの時間加速度を現実世界と同じ1倍に落とし、オーシャンタートルと通信する。そこでアリス発見後の行動を確認する二人。アリスのライトキューブをイジェクトする手順を把握し、皇帝と将軍というスーパーアカウントの使用は1回限りと念を押されつつ、明日以降の戦争準備を進める。
大人しく寝室に向かうガブリエルさん。そこに暗黒騎士団の刺客として、リピアが夜伽を装って登場。髪に忍ばせていた短剣で襲ってくるも、あっさりと返り討ち。なぜか魂らしきものが口から放たれ、歓喜するガブリエルさん。絵面が変態過ぎてキャプチャする気がおこらんぞ…
アリシアでの原体験
ここでアリシアさんとの回想シーン。ついに好奇心からアリシアを殺め、魂らしきものを目にするガブリエル。幻覚か才能か。「もっと見たい…!」とピュアでこわい。
リピアの魂とその記憶が見えた事象を「量子データが回線を通じて逆流してきたのか…?」と冷静に振り返るガブリエルさん。完全ではないAIたる通常のアンダーワールド人でこの体験なのだから、アリスの魂はいかほどかと昂る。
暗黒騎士団長の心意
場面変わって玉座の間。暗殺未遂を諸部族に伝え、寝首をかくのは一向にかまわないと皇帝らしさを見せるガブリエルさん。
ベクタは黒幕のあぶり出しと、黒幕以外の部族の忠誠心向上をもくろみ、リピアの首を皆の眼前にさらす。襲われるのは分かっているが、何せシステムコール無効の神アカウント。天命もほぼ無限なので。どうということはない。
ここで逆上したのは、3話でリピアと婚約を交わしていた暗黒騎士団長のシャスタ。これまたあっさりベクタにやられるか…と思いきや、暗殺ギルドに毒針を打たれて天命全損の刑をくらう。
ところがシャスタさん、リピアを失った悲しみからか謎のパワーで復活。どうもガブリエルの人工フラクトライト目掛けて攻撃をかける。心意だね。
ガブリエルさんの人工フラクトライトにたどり着くも、そこは真っ暗闇。YU-NOかよ。そういえばYU-NOの最終回付近の感想を書いていないが、もう忘れつつあるな。
それは置いておいて、ガブリエルの魂に干渉するも「生きながら死んでいる、殺意の剣では倒せない…!」と力尽きるシャスタ。周りの9部族はシャスタのクラッキングの余波で四肢や本体がいろいろ消えたり負傷したりと大変だったので、あの騒ぎで無傷だった皇帝陛下万歳!となる。
次回は「開戦前夜」
今回は特殊エンディングではなく、ニヤリと笑うベクタで終わり。これは菊岡の笑みと表裏一体なのよね。菊岡は現実世界に干渉できるAIの軍事利用を目的として、ガブリエルはフラクトライト同士が干渉する歪んだ娯楽としてのおもちゃとして、アリスを使おうとしている。
次回は「開戦前夜」。人界側の戦争準備が描かれる。
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