どう見ても青い石を巡ってボーイミーツガールなあの映画の、あのご老体が出てくるのですよ。名前が「ポンジイ」だからね。元ネタは「ポムじい」です。
すまんが その石をしまってくれんか… わしには…強すぎる
ラピュタ中盤のこれとほぼ同じセリフが、今年の劇場版アニポケに出てくる。本筋に関係ないからネタバレにもならないので言ってしまうが、サトシに主人公の資格を与えるホウオウの羽根が飛行石のパロディになっている。マクガフィンなので何でも良いけど、親世代を相手にするには相当出来が悪いパロディだ。古田新太の無駄遣いここに極まる。
今年の脚本は難解だった。リフレインというか天丼というか、それによって子供には笑いと、親には黙考を与えようとしているように感じた。首藤脚本の骨格が思いのほかがっしりとしており、そこから創造したというよりも、解釈し直したのだろうか。ヤンに対するユリアンだ。うーん、これは褒め言葉か?
子供は一度見れば十分なようだった。アニポケを第1話から見ていれば疑問なく入っていけるようであり、見ていなくても所々にちりばめられたお約束を楽しんでいた。自分の後席のお子様は退屈さを豪快なブリッジで体現し、盛り上がる自分の背もたれはサッマージチェアーのようだった。そして徹夜でもないのに、少し寝た。
何か面白いことをしようとして、結果として失敗した、という印象がある。首藤氏の追悼の意が見受けられると同時に、全否定するようでもあった。「友達になりたい」と言いつつ、オマハビーチでトーチカに突撃せよ的な指令を出すサトシ。10歳の少年は基本アホの子である。と解釈して納得するには、もう少し背景がほしい。謎だ。
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