ルイジェルドに心酔
無職転生の第9話「邂逅」は、魔術師としてのルディが魔力災害でエリスと共に魔大陸に転移し、また新しい人生を歩み始める第二の転生と言える回だ。異世界転生モノではもはや定番の神様も登場。中央大陸のアスラ王国に戻るというロードムービーの始まりである。
ネタバレ回避のあらすじは以下。
謎の光に包まれたルーデウスの前に、神を自称する存在“ヒトガミ”が姿を見せる。ヒトガミとの邂逅を終え、次にルーデウスが目覚めると、そこは魔大陸の荒野だった。さらにそこにはひとりの男の姿が。その男は、かつてロキシーから「絶対に近づかないように」と教えられたスペルド族の特徴である緑色の髪と額に宝石のような石が付いていて―!
https://mushokutensei.jp/story/9/
ヒトガミとの邂逅
アバンはルーデウスの前世の全裸から。真っ白な死後の世界のような場所で、たたずむ前世のルディ。前世の名前は明かされていないので、原作では「――」という感じになる。ここでは前世ルディでいこう。
「はじめまして、ルーデウスくん!」と声をかけてきたのは、これまた真っ白な人型の何か。女神転生的には完全に神様なんだが「見ての通りだよ、神様、ヒトガミだ」と名乗る。
そのヒトガミとやらは、ルディを見守ってきたところ、困っているようなので助けてあげるのだと。「ボクは君の味方だよぉ」という言葉に逆上する前世ルディ。まったく信用できないね、と断言する。「とりあえず助言させてくれよ」というヒトガミの言葉にもまたまた逆上。生前にいたよそういう奴!、と拒絶する。
ヒトガミは今の話をしているんだ、と前世ルディを諭す。ルディとしての肉体は無事で、今の前世ルディは精神体、という説明に、落ち着きを取り戻すルディ。転生させた神様ではないのか?、とルディが確認すると、それは悪い龍神の得意とするところだ、と否定する。
ヒトガミによると、放っておくと死んじゃうほど過酷な魔大陸に、ルディは魔力災害に巻き込まれて転移させられたらしい。死を避ける預言として、目が覚めた時にいる男を助けるのです、というお告げを前世ルディに伝えてアバンは終了だ。
このアニメ版のヒトガミ、何というか非常にむかつく。いや、良いです。ムカつく奴なんですヒトガミは。アニメ版はさらに腹立つので新鮮。
スペルド族との邂逅
Aパートは、自分の身体を確認して安心するルディから。エリスが脇で寝ている。転移前に一緒にいたギレーヌはいない。焚火の向こうに、ヒトガミのお告げ通りに男が座っているだけだ。
ルディは目の前にいる男の額に、魔石のようなものを認める。スペルド族…!?とビビって杖を構えるルディだが、まず人間語でおはようございます、続いて魔神語でハスコナ、と挨拶をする。神様の使いですか…?と魔神語で聞くと、驚くスペルド族の男。質問の意味は分からんが…と人間語でルディの質問に答え始める。説明によると、ルディたちが空から降ってきたので、子どもはひ弱だからと暖を取って休ませていてくれたようだ。
男はスペルド族の自分を怖がらないルディが不思議で仕方がない。助けていただいた方を怖がるのは失礼ですよ、と弁明するルディと、言葉を交わし始めるスペルド族の男。ちなみに抱えているのは槍、手に持っている孫の手みたいなものは元魔物の薪である。
男の名はルイジェルド・スペルディア。場所は魔大陸の北東、ビエゴヤ地方らしい。魔力災害に巻き込まれたみたい、とルディが言うと、ルイジェルドは必ず故郷に送り届けてやる、と断言する。
原作では軽く地図の情報が示されるのだが、アニメ版ではまだどこまで飛ばされたのかは分かりにくい。中央大陸までどれほどの時間がかかるか、という状況の説明として、地図の端と端、ラストベガスとパリくらい離れている、というルディの雑感が書かれている。
そんな会話をしていると、エリスが目を覚ます。スペルド族のルイジェルドを見て絶叫、ギレーヌを呼び、泣き叫ぶ。平然としているルディはルイジェルドに言わせれば「異常」らしい。
気を取り直して、自己紹介をするエリス。アニメ版ではカットされているが、ルディがスペルド族を怖がるエリスを小馬鹿にしたため、対抗心を燃やして勇気を振り絞って挨拶するのである。
「エリスッ・ボボッボレアスッ!!グレイラットッ…です!」
「エリス・ボボボレアス・グレイラットか」
「違うわよ、エリス・ボレアス・グレイラット!ちょっと噛んだだけよ!!」
原作で吹いたところなので完全再現はありがたい。
エリスは根が素直なので、あっという間にルイジェルドと打ち解ける。そんな姿を見て、エリスをちゃんと送り届けないと、と先を思いやるルディだった。
魔大陸の朝は早い。「冒険が始まるのねっ!」とエリスは張り切っている。荒涼とした土地だ。水はルディが魔術で補充。コップで飲んでいるが、これはルディが土魔術で作っている。
ルイジェルドが先回りして倒しているのは巨大な亀、グレートトータスだ。額の宝石のようなものは魔眼で、魔物レーダーとして動作するらしい。
そんなこんなで、さっき倒した亀の甲羅を使った家々が見える村にたどり着いたところでAパートは終了。
ロキシー実家との邂逅
Bパートは、集落の門番ロインとの口論から。怪しいのでルディたちを村に入れるのを拒んでいるロインと、子どもを見捨てるのか!?と怒るルイジェルド。きちんと魔神語である。
結局、村の長を呼びにいくロイン。といっても、そこに立ったままだ。ミグルド族は念話ができるため、声をかけに行かずとも呼べる。実はロキシーはその能力が無い。
やってきた長老のロックスは、ルディの首飾りを見て、どこで手に入れました?と人間語でルディに聞く。師匠からだとルディが答え、ロキシーという名を出すと、門番ロインはなんとロキシーの父親だった。ミグルド族なので見た目は若いがお父さんである。
村に入れてもらえたルディたち。初めて見るロア以外の村の様子にエリスは目を輝かせている。冒険好きなのだ。ロインによるとロキシーは44歳で、前世ルディと同じ年である。
長老と夕食を共にするルディ一行。食べているのは亀肉である。ルディたちの身の上を聞き、なるほど…と納得するロックス。流星があちこちに飛んでいくのを見て異変を感じていたとのことだ。
ロックスはルディたちを送ろうとするルイジェルドに、どうせ街には入れないだろう、と指摘する。皆殺しにしてでも、と物騒なことを言いだすルイジェルドに、子どものことになると見境がないな、嘆息する長老である。
スペルド族が敵味方見境なく襲ったのは事実なんですよね、とルディが指摘すると、憤怒の表情で否定するルイジェルド。
ルディが知識として知っている歴史の裏側を話し始めるルイジェルド。魔族がその地位を高めたラプラス戦役の際に、その長である魔神ラプラスはスペルド族にある槍を与えたという。その槍は呪われており、戦闘力と引き換えにいずれ狂戦士と化してしまうものだった。その悪評を取り除くのがルイジェルドの目的だ。
400年の無念とやるせなさを思い「(後悔…か)」と結論づけたルディは、その名誉回復のために「できる限りのことはする」と誓う。
村を出る時、ロキシーの両親から剣とお守り、路銀を受けるルディたち。ロキシーの母親はロカリー(102歳)さんだ。見た目は中学生である。
剣を振るエリス、前を行くルイジェルド。ルイジェルドの汚名返上への願いが、あっさり心に響いたのだ、と前を行くルイジェルドを見ながら思うルディである。ルイジェルドはルディが本気を出すツボを押したわけだ。
「これからも宜しくお願いします」とルディが声をかけるところで通常エンディングへ。
次回は「人の命と初仕事」
次回は「人の命と初仕事」。ルディたちは次の街で冒険者としてお金を稼ぎ始める。タイトルからして、一気に最初のクエストまでやるんだろうか。ルディがまた一つ本気を出す回になりそうだ。
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