無職転生 第13話「すれ違い」ネタバレ感想

キャラクター同士のすれ違いをテンポよく彩る好演出回

無職転生の第13話「すれ違い」は、フィットア領に戻ろうと魔大陸を出るルーデウスたちと、魔大陸を捜索しようとするロキシーたちが行き違いになる回だ。お互いの意図がすれ違ったところで終わる回でもある。いちいち説明していては終わらない大河原作を、アニメ版ならではの演出でテンポよく消化していく。

ネタバレ回避のあらすじは以下。

行方知れずのルーデウスたちを探していたロキシー。 彼の父・パウロの知り合いであるエリナリーゼ、タルハンドと共にウェンポートにやってきたロキシーは、手がかりを探す中で、悪名高いデッドエンドの噂を耳にする。 一方、ルーデウスたちは密輸組織のガルスと取引し、アジトにいる奴隷を解放することを条件に念願のミリス大陸へ渡るのだが……。

https://mushokutensei.jp/story/13/

嫉妬の魔女、ロキシー・ミグルディア

オープニングは魔大陸の冒険者ギルドにて、エリナリーゼ・ドラゴンロードさんの笑みから。長耳族ゆえバストこそ質素だが均整の取れたスタイルのエリナリーゼさん。その特徴を生かしての情報収集に励む。

冒険者に見惚れるエリナリーゼさん

そのスタイルを見て、思わず太ももを上げてポーズを取ってみるロキシーだ。原作ではエリナリーゼをうらやましく思う気持ちが文章でつづられているが、アニメ版ではしぐさでサラッと見せている。うまい。しかもロキシーならやりそうというのがまた良い。

太ももを上げてもひとり

そんなロキシーに声をかけてくる冒険者パーティ。すでにパーティを組んでいる、というと子供扱いされ、反論として水王級魔術師だと名乗ると「あのロキシー・ミグルディア!?」と驚かれる。

実はロキシーさん、シーローン王国の宮廷魔術師になっただけでなく、その前に魔法大学を経て数年で水王級魔術師となり、迷宮を踏破し、今や吟遊詩人に歌われるほどの有名人である。

ここで回想シーンが入る。かつてのパーティメンバーだ。中にはルディたちを脅迫してきた馬面、というか馬そのもののノコパラの顔がある。

過去の自分を重ねるロキシー

特殊オープニング再び

場面変わって酒場で一杯やるロキシーたち。かつて「黒狼の牙」としてルディの父パウロとパーティを組んだエリナリーゼとタルハンドに、パーティでの評判を聞く。「クズじゃな」「クズですわ」と即答だ。

パウロのクズっぷりに思いをはせるロキシーから、メンバーそれぞれの探索活動をバックにした特殊オープニングに突入。聞き込みをするロキシー、男漁り兼情報収集をするエリナリーゼ、酒場で卓を囲むタルハンド。

ここでロキシーがゲェ!って顔になっているのは、デッドエンドの話を聞いたからだろうか。ロキシーさんは人並み以上にスペルド族が怖いのでいちいち反応が激烈なのである。

ルイジェルドに見られてパニックなロキシーさん

デッドエンドにビビる、すれ違いロキシーさん

情報収集の成果を宿で語りあうロキシーたち。デッドエンドの姿を見ると生きては帰れない、という噂が魔大陸で流れまくっているらしい。狂犬のエリス、番犬のルイジェルド、飼い主のルージェルド、のおなじみ3人組である。だが番犬はそこそこいいやつとのことで、スペルド族の怖さを刷り込まれながら育ったため混乱するロキシーさん。

関わり合いにならないように注意しよう、と探索を始めるロキシーだが、フィットア領の人の情報は今のところゼロである。行方不明の面子は、ゼニス、リーリャ、アイシャ、そしてルーデウスだ。

ゼニスは引退したとはいえ元S級冒険者、ルーデウスは目立つので生きていればすぐ見つかるはず、ということで後回し。まずはリーリャとアイシャを探そう、という結論に。ロキシー、後ろ後ろー

海岸を歩くロキシーは、ルディが成長していればこんなはず、という思いをはせる。ここで赤毛と長身、つまりエリスとルイジェルドの立ち合いシーンに遭遇する。先週の、エリスがルイジェルドに一太刀を浴びせるのに成功したあのシーンだ。

スペルド族であるルイジェルドと目が合って逃げ出すロキシー。全力疾走で宿にたどり着くと、エリナリーゼさんの5Pシーンに遭遇してしまう。あまりの光景に動転し、水魔法のアイシクルブレイクを連打。勢いよく宿の壁をぶち抜いてしまう。

動転して無詠唱寸前のロキシーさん

ここまで無詠唱である

これ、原作だと別の部屋に逃げ込んでから一応フルで詠唱している。アニメ版ではいきなり無詠唱で発動準備して「アイシクルブレイク」だけの短縮詠唱で発動している。無詠唱魔法でロキシーのプライドを粉々にしたルディへの引け目が少しは軽減するかもしれんぞこれ。

一夜明け、情報収集が中途半端なまま町を出るロキシー一行。そのロキシーにとっての白馬の騎士像を語る。スラっとした子供っぽい人族に迷宮の奥底で偶然助けられて恋に落ちる、らしい。ちょっとルディ入ってますよね…まあ、伏線なんですがね…

船酔いで縮む、ルディとエリスの距離

CM明け、霧の中を前回の最後に出てきた密輸人、ガルス・クリーナーが小舟で海を行く。ルイジェルドの密航だ。

ルディとエリスは人間なので、通常の船便で出発。しばらく藤田ボイスによるルディの妄想シーンが続く。船旅の冒険で無人島に流れ着きエリスのデレが入り潮騒的な何か…なんてことはなく実際は船酔いでヘロヘロのエリスを介抱している。

服を緩めているエリスに思わず欲情してトイレに行くルディ。イルカかクジラの潮吹きシーンを挟んでエリスの元に戻ると、ヘンなにおいがするわね…と言われてしまう。こういうところまで律義に原作準拠であり、下品すぎるので嫌われるところでもある。

ミリス大陸の港町、ザントポートに到着しても船酔いが抜けないエリス。もう船には乗りたくない、と言うものの、目的地は中央大陸なため、もう一度船に乗る必要がある。その時はまたルディにヒーリングをかけてほしい、と頼むエリス。我慢できませんよ、と軽口を叩くルディに、ちょっと触るくらいならいいわよ、とまで言うエリスである。

船酔いでもうろうとするエリス

そのエリスの言葉に色めき立ち、ダッシュで密航したルイジェルドを迎えに行くルディ。案内された牢獄に行く途中ででかい犬に会う。さらに獣人族の子供に助けを求められるも、ひとまず目を背けてスルー。ルイジェルドの元に急ぐ。

「皆殺し」の違和感を解消したアニメ版ルイジェルド

ルイジェルドの潜伏先に着くと、ルディに怒気を含んだ声で語りかけてくる。なんでも人身売買の対象として6人の子供がいて、騒いで始末されたひとりを除いて5人いるらしい。子供大好きルイジェルドさん、密輸組織は「皆殺しだ」と低い声でささやく。

原作だと、子供は7人で誰も殺されてはいない。騒ぐ子は痛めつけられてはいる。人身売買の商品なので当たり前だ。殺してしまっては稼ぎが減る。アニメ版では手加減をミスったのか何なのか落命させているので、ルイジェルドの「皆殺し」発言に対する迷いがない。スペルド族キレたら怖い、を払拭する目的に対して我慢強く対処するルイジェルドさんもこれは皆殺しでしょ、と自然に思えるような脚本になっている。

ルイジェルドが実際に密輸組織を皆殺していく傍ら、子供たちを解放するルディ。肩をはだけた獣人族の子にヒーリングをかけると、思わず欲情してしまい別の子ににおいをかがれる。獣人族は鼻が利くのだ。ちなみにルディが出しているのは発情の匂いである。

ここで獣人語を話して子供たちを落ち着かせるルディ。脱出の途中で、他に誰かいなかったか、と騒ぐ子供はさっきの大型犬を助けたいそうだ。

牢獄にとんぼ返りして大型犬を助けようと戻るルディ。近づこうとすると結界で守られている。ふと上に目をやると、結界のエネルギー源である魔石を発見。これを破壊して結界を解く。

わかりやすいところに結界の源が

原作だと魔石は別の階にあって一応隠匿されている。探して結界を解く、というだけの尺が無かったのだろう。密輸組織が若干おバカになっている。

結界を解き、じゃれてきたお犬様をもふもふと楽しむルディだったが、「聖獣様に何をしているか!」と戦士風の獣人が来て襲い掛かってくる。お犬様はこの世界ではかなり強力な存在となる聖獣だったのだ。

聖獣はもふもふしてはいけない存在らしく、獣人族の戦士の一喝で動けなくなるルディ。獣人族が使う、魔法に似た何か、という位置づけである。身動きができなくなり、一番重い刑に処してやる、と戦士に拉致されるところで今回はエンディング。

次回は「只より高いものはない」

次回のタイトルは「只より高いものはない」。拉致監禁で無料アパートに案内されるので、そのことだろうか。原作には無いタイトルだ。となると、ギースが出てくるね。ギースだね。

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