エリスとルディの才能を映像で堪能できる幸せ
無職転生の第7話「努力の先にあるもの」は、ルディとエリスの才能をアニメ―ションで描き切るという神回だった。剣の稽古で、エリス10歳の誕生会でのダンスで、強い、巧い、と思わせる説得力のある作画に脱帽だ。
ネタバレ回避のあらすじは以下。
10歳の誕生日を迎えるエリス。その日には盛大なパーティーが開かれる予定だが、エリスはダンスが大の苦手。そんな彼女のために、ルーデウスは練習に付き合う。その甲斐あってエリスは次第に上達していく。そして誕生日当日が近づくある日、ルーデウスのもとにロキシーから手紙が届き…。
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エリスの才能を映像で魅せる神アバン
アバンはエリスとギレーヌの訓練シーンから。ここでエリスの剣術のセンスの良さが動きで分かる演出になっている。まあ、初っ端から動くこと動くこと。
ギレーヌは自身のフェイントに反応できるエリスを褒め、もう少しで上級剣士にもなれるだろう、とまで言う。
そのままオープニングに突入。もはや毎回ストーリーを進めながらのオープニングが普通なので、何が特殊OPなのかわからんな。
エリスは算術もきっちりこなす。間違えてキレそうになるも、諦めずにやり直す。
ギレーヌとエリスはファイアボールをマスター。そんな夕方に通りかかったエリスの母親、ヒルダはルディに「フンッ!」となぜか辛く当たる。
ルディがギレーヌと顔を見合わせて「何かしましたかねぇ…?」と鼻をかくシーンでアバンは終了。
いきなり密度が濃い。
ダンスの練習で空いた時間に獣神語・闘神語・魔神語を学ぶルディ
Aパートの冒頭は完成したロキシー人形。スカートの中まで作りこんだ逸品なので、まあゲスい表情でその中を覗くルディ。
そんなとき、突然のノックの音にドアを開けると、ダンスの教師であるエドナが相談にやってくる。エリスのことだ。貴族の嗜みながら、ダンスどころか礼儀作法もままならない、という。ルディに授業時間を分けてほしいそうだ。
ルディはあっさり快諾する。その理由を、エリスが誕生日を良い思い出にしてほしい、と話すルディだが、空き時間ができるのは大歓迎だ。ボレアス家の図書室で文献を読む。
ロキシーへの手紙で、獣神語、闘神語、魔神語を学ぼうとしている旨を伝えるルディ。獣神語はギレーヌに聞くからOK。闘神語は人間後に似ているらしいのでOK。ただ魔人語が難しい、と。
逃げ出すエリス、前世で逃げたルディ
と、そこで別の部屋から「もういい!」と叫ぶエリスの声が聞こえてくる。ダンスの練習から脱走したようだ。エリスはいつものように飼い葉の上で寝っ転がっている。
エリスの表情はうかがえない。ルディに顔を見せないようにしているのを、観ている側も強いられる。
その眼がチラッと映るのは、なんでもできるルーデウスには分からないわ、というエリスに、なんでもなんてできるわけないじゃないですか、とルディが答えた場面だ。
ルディは自分の前世を思い出し、エリスが逃げだしたままではいずれ後悔する、と思い、自身が言語の習得に苦労していることをエリスに話す。
エリスはルディの頭を一発殴ってから、屋敷に戻ろうとする。
ロキシーの手紙
ダンスの練習に真面目に取り組むようになったエリス。ダンスの練習シーン、ギレーヌから獣神語を習うルディ、完成したロキシー人形を行商に売るルディ、といくつかのエピソードがセリフ無しのカットで紹介される。
ロキシー人形、金貨1枚で売れてたっぽい。アスラ金貨1枚とはなかなかの値付けだ。
で、その人形でさえ金貨1枚の価値があるロキシー先生から手紙が届く。
ロキシー声の手紙の朗読シーンでは、シーローン王国のパックス王子に相変わらず胸を揉まれ、お仕置きにファイアボールを打ち、パックスがどこからか入手したルディのロキシー人形をペロペロするシーンが背景である。
ロキシーの手紙には直筆の魔人語辞書が同梱。魔人語の学習に意欲を燃やすルディだった。
アニメで洗練されたエリスの笑顔
エリス10歳の誕生日当日。メインイベントはダンスだ。
前に出る貴族の子息とダンスを踊るエリスだが、案の定転倒してしまう。周りの貴族は冷ややかだ。
そこにルディが歩み寄る。練習通りにやろう、というルディ。
で、今度はすんなりいくかと思いきや、なかなかうまくいかない。
ここで剣舞の要領で、エリスにあえて目を閉じさせ、攻撃を避けるかのようにステップを踏ませようとするルディ。この策は大成功し、練習以上の踊りを見せる。
これは拍手喝采。エリスの破顔一笑が良い。
あれはいったい、とルディに聞くエドナ。エリスはステップが鋭すぎるので、タイミングをずらせばちょうどよい、という種明かしをするルディ。
そこに貴族の子女がルディに声をかけてくる。デレるルディの頭を引っぱたくエリスさんだった。
このくだり、原作だと練習中に気が付く。本番ではルディと踊る。これをアニメでは
本番では貴族の子弟相手にエリスがダンスに失敗する
誕生会に集まったアスラ貴族たちのエリスひいてはボレアスへの蔑みが分かる
やむを得ずルディが助け舟を出す
ダンスが踊れる魔法をかける
見事に成功する
という流れに改変してある。この改変で、ルディの賢さ、エリスの笑顔のインパクト、そして後の伏線となるアスラ貴族の陰惨さを、うまくまとめて伝えられる構造になった。
だってルディは目立ってはいけないことになっている。なのに原作では、エリスはダンスパーティーの本番でいきなりルディと踊るのだ。これにはやや違和感があった。
さらにエリスが最高の舞台で最高の笑顔を見せるには、本番での挫折と成功が必要だった。原作とは違い、アニメ版では練習中にまあまあの踊りができるようになってもエリスは不満げな顔をする。それを作りてはわざわざ強調して見せている。だからこそ、初めてうまく踊れた喜びが満面の笑みにつながり、説得力に転化するのだ。
アスラ貴族の立ち振る舞いは、この後の伏線になっている。アスラ王国の領主は、ちょっとでも弱みを見せれば別の大貴族に叩きのめされる運命にある。
エリスとギレーヌの卒業式
誕生会の晩、ルディはエリスとギレーヌに魔術用の杖を渡す。
ギレーヌはエリスに魔除けの指輪を渡す。夜に狼が来ない効果があるらしいが、パウロには効かなかったようなので不要らしい。
同じベッドで寝てしまったルディとエリス。朝になり、まだ寝入っているエリスにゲスな行為に及ぼうとするルディだが、魔除けの指輪を見て手を引っ込める。効果あるじゃん。
ふと目に入った尖塔に上ると、サウロスがメイドといたしているところだった。
ルディに気づいたサウロスは、見てみろルーデウス、と窓の外を見るように言う。
窓の外には赤い玉が。ついに、赤い、玉が!
悪いものではない、というサウロス。なぜそう思うのか、というルディに、そう考えた方がよいからだ、と答える。
なるほど、と納得したルディは、空から女の子が降ってきますように、と赤い球体に願掛けする。意味不明なものが出てきたところでやや唐突にエンディングに突入する。
次回は最後の日常回…かな?
次回は「ターニングポイント1」。1??!!
原作のターニングポイントは文字通り無職転生の物語が一変する回だが、アニメ版では2回に分けるのか。それとも、もう一つのターニングポイントであるアレを予感させるための仕掛けか。面白過ぎる。
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