シュタインズ・ゲート ゼロ 23話「無限遠点のアークライト」そして… 感想

見たかったゼロ

ゲーム版シュタインズ・ゲートゼロの欠けたピースを埋める最終回。メディアを違えて点在するエピソードをすべてまとめ、本編に比肩するカタルシスが得られる作りに驚かされた。ドラマCDは聴いたことがなく、外伝小説も読んだことが無いので自分にとっては新鮮だった。 岡部を助ける萌郁とかがり。苦笑いしながらからかい合うまゆりと鈴羽。タイムマシンは飛び立ち、紅莉栖救出に失敗した岡部のアシストに向かう。 これで同時に二人のまゆりが存在することになるのが謎だったのだが、タイムマシンから出ずに電話するという方法で世界を騙していた。タイムパラドックスを避けるために無理に出航し、予期していたようにタイムマシンは漂流する。

真のトゥルーエンド

ゲーム版のトゥルーエンド「交差座標のスターダスト」はあまりにあっけなく、本編を補完するエピソードであるゼロがゼロたるゆえんだった。岡部がまゆりと鈴羽を救出に赴く「オペレーション・アルタイル」は、その行く末を暗示せずに終わる。岡部倫太郎が2025年に姿を消すことで騙した世界線は、どう変動したのか。 アニメ版もゲーム版と同様に、比屋定さんのモノローグで終わる。
宇宙に始まりはあるが、終わりはない――無限。
星にもまた始まりはあるが、自らの力をもって滅びゆく――有限。
英知を持つ者こそ最も愚かであるのは、歴史からも読み取れる。
海に生ける魚は陸の世界を知らない。 彼らが英知を持てば、それもまた滅びゆく。
人間が光の速さを超えるのは、魚たちが陸で生活を始めるよりも――滑稽。
これは、そんな神からの最後通告に抗った者たちによる――
執念のエピグラフ。
エンドロールが終わり、始まりとも終わりともしれない星に堕ちた燃料切れのタイムマシン。機内にたたずむまゆり。荒涼とした大地の偵察から帰ってきた風の鈴羽は、まゆりに向って首を振る。 沈む空気のその背後に、突如現れる降着円盤を思わせる閃光。轟音にかき消されて聞こえない鈴羽の叫び。その口が発したのは「まゆ姉さん!」だったろうか。 何が起こったのか理解するかのように「鈴さん!」とまゆり。ここは音声あり。アークライト――織姫の復活を演出する。 白衣をたなびかせ、不敵な笑みを浮かべながら近づいてくる岡部。背後にあるのはタイムマシンの初号機だ。天の川を越え、邂逅するアルタイル。 「待たせたな!二人とも!」 待った。すげー待ったよ。待ったかいがあったよ。初代プレイするためだけにXbox買った自分をほめてやりたいよ。

タイムマシンはなぜ宇宙船風のデザインだったか

このシーンでは、C203の人工衛星風のデザインが最高に生きている。ラジ館に刺さっている姿と同じくらい最高に。太陽電池パネルは屹立していれば鳳凰を、砕けていれば絶望を、それぞれ思わせる。

世界線の終わりで笑うラボメン鳳凰院凶真

ラストシーンは世界線の果てでたたずむヒロインをヒーローが救い出すという、王道の展開だった。YU-NOや未来日記を思い出す。未来日記は男女逆だけど。 でも世界を騙すには結果は変えられず、元の世界線の岡部としては存在できないはず。鈴羽とまゆりを救出した後に、岡部はどうしたのだろうか。七夕伝説にならい、永遠の1年を過ごしたのだろうか。2036年に帰還したのだろうか。世界線が変動し、また別のシュタインズ・ゲートを開いたのだろうか。

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