まさにアリシゼーション
ソードアート・オンライン(SAO)アリシゼーションのWar of Underworld第5話「開戦前夜」は、 最終負荷実験の迫る人界の戦争準備を背景に、今後の展開で鍵となる人物同士の関係を浮かび上がらせる伏線回だ。この回を味わっておくと、アニメ組は後でいい思いができるはず。 ネタバレ回避のあらすじは以下。
人界とダークテリトリーを隔てる《東の大門》。そのすぐそばまで、闇の軍勢が迫ってきた。
人々のために戦うことを決意したアリスは、キリトを連れて人界軍に合流する。
しかし圧倒的なダークテリトリー軍の兵力に比べ、人界軍で戦闘可能な整合騎士は、わずか十三人しかいなかった。
絶対的劣勢の中、前線でも廃人同様のキリトを帯同するかどうか迷うアリスだったが……。脚本:木澤行人
https://sao-alicization.net/story/?id=ep05
絵コンテ:佐久間貴史
演出:尾ノ上知久
総作画監督:鈴木 豪
作画監督:Won Chang hee、Kwon Oh sik、Ahn Hyo jeong、Jeong Yeon soon、Jang Hee kyu、Joung Eun joung、Lim Keun soo、徳岡紘平、山本由美子、竹内由香里、吉岡 勝
冒頭は、整合騎士デュソルバートとエルドリエの練兵のシーンから。両者とも浮かない顔をしている。主に整合騎士の頭数が揃わないことによる戦力不足を憂いてのことだ。
そこにアリスと雨縁が降り立つ。表情が明るくなるエルドリエだが、アリスが抱えるキリトの姿を目にすると一転、顔をこわばらせてしまう。
ここでオープニングなんだが、いつにも増して歌詞が物語にしみ込んでくる。歌い手は戸松遥、つまり現実世界の正妻たるアスナさんなわけで、アンダーワールドにおける正妻のアリスの思いでもあるからね。
相手は5万、こちらは3000。という戦力差に絶望するエルドリエ。整合騎士のうち、10人が再調整中。チュデルキン亡き今、どう目覚めさせてよいか分からない。現有21人のうち、4人は中央管理、4人は果ての山脈で対峙、ここで動けるのは13人とのこと。Web版では山脈に15人とか赴いて20人くらいは前線にいたので、それより少ない
そこに騎士長ベルクーリが姿を現し、なぜか剣気をみなぎらせる。まさかキリトを斬るつもり?と警戒するアリス。
心意で剣を一閃するベルクーリ。ここの効果音が重くて良いのでウーハーの聞いた環境で聞こう。だがキリトを傷つけたのではなく、アリスに向けて放った時の反応を確かめたかったらしい。
キリトがアリスを心意で守ろうとしたことが分かり、藁にもすがる思いで過ごしてきたアリスは希望を取り戻す。いつか戻ってくる、とベルクーリ。
足手まといになるキリトをうとんじていたエルドリエに、ベルクーリは面倒みてやろうや、と諭す。キリトを抱きしめるアリスを見て、唇をかみしめるエルドリエ。つらい。
天幕の中で、キリトへの気持ちを推し量るアリス。自分は作られた整合騎士ゆえに、どうしても直情的な行動に遠慮がちになってしまう。ありったけの心意をぶつければ、応えてくれるの…?とアリス。
ロニエ、ティーゼとの再会
キリトに対してゆっくりと顔を近づけるアリス。いよいよ…というところで鈴の音が。現れたのは補給部隊として食事を届けに来たティーゼとロニエ!
黒い髪の剣士の噂を聞き、キリトかと思って訪ねてきたようだ。ユージオも!と期待するが、アリスに導かれて天幕に入ると、廃人のキリトと折れた青薔薇の剣。
青薔薇の剣から「泣かないで」と声が聞こえたとティーゼ。キリトとユージオに好意を寄せていたのか、とアリスは納得しようとするが、あのアリシゼーション第1期10話のエピソードがロニエとティーゼから語られる。汚された自分は、好意を寄せる資格は無いと思い込む二人。その二人に対して、アリスは心意で自らの装いをルーリッド村のアリスのエプロン姿に変えて見せる。身体は入れ物にすぎず、ただ心があるのだと。
いよいよ開戦前夜
一夜明けた朝、アリスに会ったベルクーリは、戦の趨勢を決めるのはキリトだとアリスに言う。アドミニストレータを倒した実績、さっきの心意戦から、膨大な実戦経験をキリトから感じ取ったようだ。
そこに副騎士長のファナティオが登場。仮面を取り始めるのに驚き、化粧までしているのに驚愕し、「お久しぶりね、元気そうでうれしいわ」というファナティオに「…ね?…わ?」と戸惑うアリス。ファナティオはキリトに会って礼を言いたいらしい、「あれこれしてあげたら、坊やは目が覚まさないかと思って」と言い放つファナティオに、表情をこわばらせるアリス。
キリトに会うのにアリスの許可が必要なのかしら、とファナティオ。言い合いになるも、ベルクーリにかわされて軍議のシーンに入る。
リソースと神聖術のおさらい
大門の峡谷を抜けると人界は遮るものが無い平野なので、縦深陣で持ちこたえるしかない、とファナティオが基本方針を語る。
峡谷のメリットはもう一つ。空間リソースの増加がゆっくりなこと。アンダーワールドの神聖術は空間リソースを必要とする。オブジェクトが無ければ別の何かを生み出せない仕様だ。峡谷であれば敵の術士の力を削げる。
リソースがあれば腕が飛ぼうと足が欠けようと治癒術で何とかなる。なので峡谷での戦闘は回復に難があるが、公理教会秘蔵のアイテムをかき集めて何とかしのぐらしい。
もっとも最初に蓄積されたリソースを消費しておかないと、それを相手に使われてしまう。そのリソース消費の役を担うのがアリスだという。どうするのかは今回は明かされない。おそらく来週に放たれるので期待しておこう。
軍議が終わってキリトの元に行くアリス。あのアドミニストレータを倒したのだから、とキリトを抱きしめる。傍らのロニエとティーゼは何を思うのか。ちなみにWeb版だとここでロニエとティーゼの過去を知るアリスであった。これはアニメ版の方が開戦前夜感が出ていて良い。
いよいよ戦場に赴こうとするアリスに、そろそろ参りましょう、と声をかけるエルドリエ。踵を返したエルドリエに「これまでよく尽くしてくれましたね」となぜか別れの言葉のように語り掛けるアリス。若干唐突ではあるが、決戦前夜は心残りの無いように、というのが実は自然。ここは戦場だ。
開戦直前の様相を伝える特殊エンディング
最後は大門を挟んで終結する軍勢と、開門が迫る中での特殊エンディング。ED曲のバラードがはまっている。今回はOPとEDがそのままテーマに直結している。
なお泰然自若の整合騎士の中でレンリだけガタガタ震えている。ベクタは相変わらず無表情だ。そんな各陣営の様子を一覧し、門が吹き飛んだところで終わる。
次回は「騎士たちの戦い」
次回は「騎士たちの戦い」。エンディングの布陣から始まる、大戦が描かれる。
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