無職転生Ⅱ 第24話「嗣ぐ」最終回ネタバレ感想

無職転生Ⅱ第24話「嗣ぐ」は2期の最終回。無職転生の物語を紡ぐうえで、最大の難関を突破する回だ。異世界いったら本気出す、の本気とは人生に対して誠実に生きることだが、それは相容れない価値観の衝突との繰り返しになる。シルフィとロキシー、そしてノルンとの関係だ。

ネタバレ回避のあらすじは以下。

ルーデウスは半年ぶりにシルフィたちが待つ家へと帰ってきた。転移迷宮でのこと、パウロの死、ゼニスの状態などを話すルーデウス。そして、ロキシーとのことも…。それを受けたノルン、アイシャ、そして、シルフィの答えとは…?

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ベガリット大陸の“後悔”とは

アバンは自宅を前にするルーデウス一行のシーンから。ヒトガミに言われた「君はベガリット大陸に行けば後悔する」を思い返し、その後悔をパウロの死では感じていないことに気づく。後悔ではなく悲しみだ、と。

自宅の扉を開けると、シルフィやノルン、アイシャの気配はない。うろたえるルーデウスの前に、アイシャが現れる。シルフィも姿を見せ、安心するルーデウス。ノルンは学校のようだ。

パウロの訃報

大広間でノルンの帰りを待つルーデウスたち。ノルンを前に「全員揃ったので話をしよう」というルーデウス。不安げな表情を見せるノルンに「パウロ・グレーラットは…死亡した」と訃報を告げる。

ルーデウスが颯爽と救出してくれると思っていたはずのノルンは、兄さんが行ったのに何でお父さんが死んじゃうんですか!、とショックを受ける。ルーデウスの失われた左手を見て、ハッとするノルン。

ルーデウスの経緯の説明に、納得しようとするノルン。ただ感情は抑えきれずに号泣してしまう。

形見の剣を選び、抱えるようにして持つノルン。かつてパウロが幼少のルーデウスに剣を教えた際に伝えた言葉、剣を持っているからといって自分が強くなったと勘違いしちゃいけない、という言葉をノルンにかけるルーデウスだった。

落ち着いたノルンはアイシャを気遣う余裕を見せる。何かを察したかのように、私たちに遠慮することないよ、とアイシャに声をかけると、リーリャにしがみつき、お母さんが無事でよかった、とアイシャもまた号泣するのだった。

ギース、タルハンドは宿を探しに出ると、エリナリーゼさんはクリフに会いにいくと、ヴェラとシェラはお墓ができたら教えてほしいと、それぞれ去っていく。

ロキシーを迎えるルーデウス

ルーデウスにはもう一つ、伝えることが残っていた。シルフィーに「大事な話がある」と伝えてCM入りだ。CM明けは修羅場である。
「俺はここにいるロキシーを2人目の妻として迎えようと思っている」

いきなりの展開に激高するノルン。許せるわけないでしょ、と非難の言葉が止まらない。左手を失ったその厳しい戦いの結果はともかく、「女の人を抱いて自分のものにする余裕はあったってことですか」とまで口に出してしまう。

ロキシーにまで、ずうずうしいとは思わないのか、身を引こうとしたのならなぜ最後までそうしないのかと、畳みかける。

「そうですね。ずうずうしいです」と言い、その場を去ろうとするロキシー。逡巡するルーデウスより先に、ロキシーさん待ってください、と引き留めたのはシルフィだ。

なぜ引き留めるのかと咎めるノルンに、僕のためにごめんねと礼を言い、ロキシーがルーデウスを助けてくれたこと、ロキシーの立場なら自分も同じことをしただろうこと、とロキシーに理解を示すシルフィ。

ルディってエッチでしょ?、といつかこうなることを予期していたと、まで言うシルフィは、僕は歓迎します。一緒にルディを支えていこう、とまで言い切る。

ノルンとの和解その2

修羅場が終わり、ノルンに剣の稽古をつけているルーデウス。それを眺めるシルフィとロキシー。シルフィの出産が終わってから正式に結婚するという話を世間話のようにしている。

稽古中に「納得いかないんですけど!」とノルンは食い下がるが、パウロにも奥さんが二人いたとシルフィは言い、リーリャさんにもそう言うの?という問いかけに対して、ごめんアイシャ、と謝る。

布石を足したアニメ版

このロキシーを妻に迎えつつノルンとの関係を悪化させないというパズル。アニメ版ではかなり慎重に話を運んでいた。何せノルンを悲しませた後で、ミリス教徒であるノルンを前に、操を立てると言ったシルフィを前に、ロキシーを妻に迎えると宣言するのだから。

ノルンとの信頼関係は、3話にかけて丹念に描かれた。アニメ版オリジナルのパウロの「2本の剣」の忠言も足された。パウロという父の想いを継ぐという話の軸足をはっきりとさせることで、ノルンの「納得いかないんですけど!」も原作と違い剣の稽古シーンを追加して言わせている。言い方が最高だ!

一方で、原作のどぎついシーンはカットだ。

ロキシーに詰め寄るノルンのシーン。原作ではシルフィが「ノルンちゃん、ちょっと黙っててくれないかな?」とたしなめるのだ。アニメ版ではノルンに「僕のためにごめんね」と声をかけ、ノルンが納得しやすい構図になっている。これはシルフィの芯の通った性格からすると菩薩面がかなり強調された格好だが、このシーンでシルフィの強さを表す必要は無いと言えば無い。

長女ルーシーの出産と墓参り

場面変わって、シルフィの出産シーンへ。生まれた赤ちゃんの髪を見て、緑じゃなくてよかった、と安心するシルフィ。ルーデウスと同じ金髪だ。赤ちゃんを抱くルーデウスは、感極まって男泣きする。

ラストはパウロの墓参りだ。墓石を前に酒を酌み交わす。シルフィの子供が生まれたこと、ルーシー・グレイラットと名付けたこと、ロキシーを妻に娶ったことを伝える。

「たくさん失敗して、いっぱい悩みながら、少しずつゆっくり変わっていかなきゃ大人にはなれないんだろうな」

転生後を振り返るルーデウス。

「俺はまだまだ、この世界で生きていく。いつ死んでも後悔しないように。本気で」

異世界行ったら本気出す、のタイトルを回収して、2期は幕を閉じる。

3期は「無職転生Ⅲ」

終幕後、もはやお約束の「3期制作決定」のおまけ付きだ。

次はいつだろうか。これまでの放送スケジュールからすると、2025年内に何とかなるか。

第1期第1クール:
2021年1月11日 – 3月22日
第1期第2クール:
2021年10月4日 – 12月20日
第2期第1クール:
2023年7月3日 – 9月25日
第2期第2クール:
2024年4月8日 – 7月1日

2026年までずれ込むのは寂しい限りだ。

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