無職転生Ⅱ 第20話「迷宮入り」ネタバレ感想

無職転生Ⅱ第20話「迷宮入り」は、ゼニスの前にまずロキシーを救出する戦闘回その1。ここからは戦闘が中心の冒険らしいシーンが続く。色々と都合の良い展開は、ヒトガミとの敵対へと向かう伏線でもある。

ネタバレ回避のあらすじは以下。

迷宮都市ラパンへとたどり着いたルーデウスとエリナリーゼは早速ギースを見つけ、パウロとリーリャのもとに案内される。ゼニスが救出できずに疲労し、憔悴するパウロに対し、ルーデウスは優しく声をかける。ゼニスのいる迷宮攻略について話し合うが、その場にいるはずのロキシーの姿がなく…。

https://mushokutensei.jp/story/2-20/

都合の良い展開が続く理由

最初に、今回のネタバレから入ろう。

迷宮入り、ということでベガリット大陸は迷宮都市ラパンに一瞬で付いたルーデウスさんご一行。早速ゼニスが囚われている迷宮へと足を運ぶ。ロキシーが行方不明になっており、その救出も兼ねての迷宮探索だ。ロキシーを救出したところで話が終わる。展開が早い。このスピード感、青年となったルーデウスが持つ家族、人とのつながり、自身の能力と信仰の総合力が成せるもので、展開の“速さ”自体が演出のように感じる。

もう一つ、アニメ組にとっては酷なネタバレがある。アニメ組で先の展開を知らずにこれを読んでいるのであれば、この先は読まないでほしい。最初にこの展開になったときの衝撃を味わってほしい。

アバンで冒険者ギルドにて落ち合ったギースのことだ。

ギースはルーデウスに手紙を出し、ベガリット大陸に呼び寄せる。しかし前回書いたように、ヒトガミはルーデウスによるロキシー救出とその子供の誕生を阻止したい。ギースは、ヒトガミの使徒である。バレたらルーデウスのようにオルステッドに瞬殺(未遂)される、あの使徒である。この一見ヒトガミの意志に反して動いているかのような描写が、後で伏線となって効いてくる。

エリナリーゼは、ギースとルーデウスの過去の親交を知らない。「ずいぶんと仲がよろしいのね」という感想は、ギースの「一緒に牢屋に入ってた仲だからなあ」という台詞で説明される。ここも味わい深い。エリナリーゼが抱いた違和感。

パウロとの再(々)会

ギースとあっさり会えたことで、パウロと合流したルーデウス。エリナリーゼは「おめえも言いたいことはあるだろうが、今回はちっとばかし押さえてくれ」とギースにくぎを刺される。この因縁、原作でもはっきり描かれていないので、パウロが謝罪して許す、というシーンはあるも「?」となる。

パウロはルーデウスを見て驚き、「ルディ…夢じゃねえのか」「本物ですよ、父さん」というやり取りを始める。原作だと、親として何一つやれないだの、大きくなったなだの、寝起きのふわふわした会話をしてからこれ現実?みたいに我に返る。アニメ版ではパウロのやつれ具合を画で見せられるので、文章上の夢じゃねぇのか構造は手直しされている。

再会の会話の後は、迷宮攻略の作戦会議。ギースによると、ゼニスはここより北に一日行ったところにある迷宮に囚われているらしい。既に6年が経過しているのに、詳細は不明で、迷宮で消息を絶ったパーティーにゼニスがいた、最近迷宮の中でゼニスを見た、など情報が錯綜しているようだ。

ロキシーが行方不明

話の途中で炭鉱族、いわゆるドワーフのタルハンドが合流する。全員揃ったところで話を続けるぞ、という会話に、全員?、と混乱するルーデウス。そう。ロキシーがいないのに、全員と…

最悪の事態を想像し、周りの音が遠くなるルーデウス。絶望視はしているものの、1カ月前に罠にかかって行方不明になっただけ、とパウロやタルハンドは生存を諦めてはいない。ギースはいくらロキシーでも…と諦めたような口をきく。

アバンのギースのシーン。獣族に何かを頼んで断られているのは、ロキシー救出の手伝いだ。アニメ版では音声は無い。原作では声が聞こえている設定で、絶対に死んでねぇ、と言いながらの

冷静さを取り戻そうとするルーデウス。話の腰を折ってしまいましたね、と迷宮攻略の話に戻る。迷宮の名前が口に上り、目的の迷宮が「転移の迷宮」であることを知る。持ってきた2冊の本のひとつ、『転移の迷宮探索記』の出番だ。ギースが確認したところ、記述が確かなら第六階層までは攻略できたも同然という。

パウロとの語らい(下ネタ)

攻略会議が終わり、パウロとリーリャと一緒の部屋で休むルーデウス。リーリャは「アイシャは、きちんとやっていますでしょうか?」とアイシャの様子を聞く。リーリャさん、最初は悪魔憑きだと幼少のルーデウスを疑っていたが、パウロとの一件を丸く収めたことに感じ入り完全に心酔している。ルーデウスにとってのロキシー師匠みたいなものだ。

話の流れで、シルフィーとの結婚を打ち明けるルーデウス。緊張する描写が挟まれるのは、最初の再会で明るく冒険譚を語ってパウロと喧嘩になったトラウマがあるからだろう。恐る恐る、シルフィーと魔法大学で再会し、結婚して子供ができたことを伝える。

今回のパウロは、同じ父親としての立場になったルーデウスを素直に励ます。すまなかったな、父親になろうってやつをこんなところまで呼び出して、と。

Aパートの最後は、リーリャも交えたボーイズトーク。お前も男になったってことだよな、とパウロが切り出し、あまり下品なことをお聞きになるのはどうかと思いますが、というリーリャをスルーして話し出す。それに乗っかるルーデウス。リーリャも激しいだの、リーリャの方から誘ってきただの、下ネタである。

無職転生が嫌われる要素の一つに、この下ネタがある。原作ではさらにどぎつい。アニメ版でカットする下ネタは、今のところルーデウスの決心に関係ないところだけだ。ルーデウスがパウロとボーイズトークをできた、というのは大事なエピソードである。

迷宮入り

Bパートからは迷宮探索。浮遊するライトは精霊魔法で、ナナホシにもらったスクロールの効果だ。足跡を付ける靴を履いたギースの後に続き、罠を回避しながら進む。ルーデウスを前に張り切っているのか、パウロが前のめり。前に出過ぎ、浮ついている、とエリナリーゼにたしなめられる。

エリナリーゼさん、思わず「パウロは息子も同然なんですから」と口に出してしまい、パウロに「何が息子だよ」と首を傾げられる。前世の男の声で、実は知らないうちに親族になっているんだ、というモノローグが入るが、原作では会話の中でシルフィの父がロールズで祖母がエリナリーゼなのが分かる。まあややこしいのでこのくらいが丁度よい。

魔物を倒しながら迷宮を進み、第三階層まで転移魔方陣を使って到達する。途中でタルハンドに、なるべく氷魔術を使え、とさとされるルーデウス。火は一酸化炭素中毒、水は洞窟の崩壊を招くからだ。

ロキシー救出

「勘でいいんだが、ロキシーはどの辺にいると思う?」とギースに言われ、その辺りの気配を感じ取ろうとするルーデウス。何かに気が付いたようなところでシーンが切り替わる。

ロキシーの戦闘シーンだ。迫りくる魔物を、土や水、氷魔術で押しとどめている。転移魔方陣から続々と送り込まれてくる魔物に、魔力が尽き気味だ。誰か助けて…失禁し気を失うロキシー。

目を開けると、一面凍り付いた魔物の群れ。

よかった、とルーデウスの顏が見えたところで今回は終わりだ。Cパートあるかな?と思ったがそのまま通常エンディングだった。

次回のアバンかAパートの冒頭で語られる気もするが、ロキシーは一カ月転移魔方陣を転々としながら魔物を倒し続け、魔物もこれないような狭い空間に出る魔法陣で休息する、という日々を繰り返していた。

魔術は短縮詠唱で、実は高位の魔術師でも到達できない領域に達している。とはいえ状況は最悪で、ルーデウスが来たのは正にギリギリのタイミングだった。

次回は「第六階層の魔法陣」

次回のタイトルは「第六階層の魔法陣」。迷宮の主へとつながる転移魔方陣を見つけ、アタックするまでで終わるか、その先までいくか。最終話は戦闘後の後日談になるとして、23話で終わるはず。クライマックスは近い。

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