無職転生Ⅱ第14話「披露宴」は、家を手に入れたルーデウスがシルフィとの披露宴を開く。披露宴はもとより、エリナリーゼさんとシルフィ、アリエルとルーク、それぞれの思いが披露される。よく見ると表情で心情を表す場面が多く、派手さはないが神回だ。
ネタバレ回避のあらすじは以下。
この世界では結婚する際は自宅でパーティーを開くということで、ルーデウスはシルフィと共にその準備を進める。そしてパーティー当日、アリエルやザノバらラノア魔法大学の面々が出席する中、エリナリーゼの表情がいつもと違っていた。そんな中ルーデウスはアリエルからある申し出を受けて…。
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結婚にまつわるあれやこれやを“披露”していく
アバンは、この世界の慣習に沿った披露宴の説明から。披露宴、という言葉は無いが、親しい人を招待して食事を振る舞うのが常識という。
エリナリーゼさん、ザノバ、ジュリ、クリフ先輩、リニアとプルセナ、バーディーガーディ陛下、ジーナス教頭、さらにはゾルダートを挙げるルディ。シルフィはアリエル様とルーク、そして従者2人だ。ナナホシの名が無いので、シルフィの指摘で付け足すルディ。あまり人前に出ないので「とりあえず呼んでおく」枠である。シルフィはエリナリーゼさんは来てほしいかな、とやや迷いを感じさせながら話す。
2期の結末を暗示させる通常オープニング
今回は通常オープニングで、2期の今後の流れがざっとまとまっている。このあとノルンとアイシャがルイジェルドに連れられてやってくる。一緒に住み始め、学校にも通うがパウロをぶちのめしたルーデウスとノルンは折り合いが悪い。もちろん、というには紆余曲折がありすぎるが、後に和解することになる。
そしてギースからの手紙が届き、迷宮に囚われたゼニスを救出しに向かう。アニメ組へのネタバレはここでは避けたい。オープニングさながらの戦闘が繰り広げられるはずだ。
エリナリーゼとシルフィ
Aパート、まずは披露宴の支度シーンから。まあ平和である。ローブを新調し、食材を買い込む。
招待客は、ジーナス教頭とゾルダートを除く仲良しフルメンバー。ナナホシも来る。
俯瞰で見せて、前に立つルーデウスとシルフィの緊張を二人からの視点でも強調する。今回の演出は心情に沿った的確なものという印象を受けた。
会自体の描写はあっさりしたものだ。会が終わり、挨拶をして帰るときにエリナリーゼさんがいきなり涙ぐむ。
崩れ落ちるエリナリーゼさんに、シルフィは「もしかして エリナリーゼさんって僕のおばあちゃんですか?」と声をかける。シルフィは自分の祖母がパウロの仲間だったことを知っており、そうした話を聞いていた記憶がエリナリーゼさんと重なる部分があったと話す。
クリフに支えられ、場を辞すエリナリーゼさん。それを見送るシルフィの表情は、心配というよりも、言いたいことを我慢しているかのように見える。ここは原作でも特に心理描写は無い。シルフィはまだエリナリーゼさんの過去を知らないので、なぜ自分との関係を隠していたのか、聞きたいことがたくさんあるのだろう。
ルークとの決闘
CM明け、落ち着いたエリナリーゼさんと話をするために別室に移動するシルフィ。Aパート最後の表情がかなり良い演出だということが分かる。
披露宴のドラマはこれだけではない。いきなりアリエル王女がルークとの決闘をルーデウスに持ち掛ける。理由を聞くと「ただの、戯れです」とアリエル様。
分からん。こんな試合が何になるというのだろうか?と思うルーデウス。観ているこっちも理由がよく分からないまま、試合が始まり、あっけなく決着がつく。
試合後、アリエル様が理由らしきものを説明してくれる。
私たちはシルフィーが好きです。
生死を共にした仲間だからこそ 思うところがあります。
今回の決闘は私たちの意地だと思ってください。
と。そのものずばりの説明は、原作にもない。これは、生死を共にしたアリエル、ルーク、フィッツのパーティにとって、自分より強い相手に仲間を奪われるときのけじめのようなものだ、とは何となくわかる。
決闘が終わると、エリナリーゼさんとシルフィの対話も終わっていた。エリナリーゼさんの孫であること、エリナリーゼさんの呪いのせいで子ができてしまうと、一人前に成長するまで育てたら縁を切る、というのを繰り返してきたこと、などを明かしたそうだ。クリフは改めて、エリナリーゼさんの呪いを絶対を治すと誓ったのだった。
エリナリーゼさんの過去の詳細はこの先、3期以降に語られるだろう。割と辛い話だ。
オープニングと同様に、今回から通常エンディング。「守りたいもの」ということで、無職転生でこれから起こるあらゆる苦難を乗り越える原動力となるものが描かれていく。
次回は「遥か」
次回のタイトルは「遥か」。遥か彼方から来るものたちと、遥か彼方を目指すものと、その二つの意味をこめているのだろう。原作10巻が終わりそうな気配だ。
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