MZ-3用のレンズを買おうとWebを彷徨っていたら,「Rollei 35」というコンパクトカメラの作例に辿り着いた。これがまた味のある写真で,その後延々とRollei 35をキーワードにGoogleを漁る。
…で,1週間後にはヤフオクで落としたドイツ製Rollei 35が一つ。バルブでシャッターが閉じない難あり品ということで,ベルリンフィルの国内中級ホールC席コンサートチケット程度の値段で落札できた。
確かに小さい。煙草入れを一回り大きくした程度の大きさで,35mmのフィルムが入る。でも重い。手のひらにずっしり。レンズは沈胴式。手で引き出す。出した後に少し回してロック。カチリと耳に残る音がする。シャッターの調子を調べると,低速でもそれなりの精度が出ている。使われていたようでネバリはない。ファインダーを覗く。一体成形だけにクリアだ。ブライトフレームは文字通り輝かしい。
本体裏蓋をスライドさせフィルムを入れる。コダックのダイナハイカラー。丁度1本余っていたリバーサル。ネガのストックはコニカミノルタの「ベビーフィルムほっぺにチュッ」だったので止めておいた。このフィルムはGR1sで使うことにしている。人だけでなく風景も濃厚に写る。本来のJX400Mという型番で売って欲しい。買うとき少し恥ずかしい。
まあここまでは楽しい。撮るときは少し緊張する。このカメラは距離計がない。勘で測った距離にピントを合わせる。絞り開放では少し怖い。守りに入ってF8からF11くらいまで絞ればパンフォーカス機として扱える。露出計を見るとシャッタースピードは室内で1/15前後。これでもそうそうブレないらしい。
現像が上がってきた。線が太くかっちりと写っている。少し古ぼけたような,ノスタルジックな色。昔の写真の色だ。思った通り歩留まりは悪い。そこがまたフィルムを通そうという気にさせてくれる。デジカメではどうしても粗製濫造になる。とにかくシャッターを切って良い瞬間を選ぶ,という作業はあまり楽しくない。それならDVカメラで撮るよ。
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