アニメ「アイドルマスター シンデレラガールズ」24話で卯月の制服オンステージに動転しないためにどうすればよかったの的な感想

デレマスことアイドルマスター シンデレラガールズの24話放送から1週間が過ぎようとしている。久しぶりの更新がこれというのもおかしな話だ。きっとTwitter上に2万人の友利奈緒を生んだCharlotte(の脚本)のせいだろう。最後の能力者の能力がアレなのは本当に良かった。

話がそれた。

デレマスの24話はいわゆる神回である。1回の特別篇を挟み、無OP・特別ED構成という、実質1.5倍の尺がある回だ。神演奏が最初の一音から世界を変えるように、神回はタイトルコールが出た瞬間から神回だ。ポエムが飛び、伏線の回収があり、大団円となるラストのライブがある。

この時点で泣いてる。こっちが

ラストのライブで、卯月は制服でステージに立つ。裸足で駆け出す。普通が怖い。その普通の姿に「笑顔」だけ武器に歌う。そして吹き上がる歓声。その大団円が魅力的なのは分かる。自分もそれを見たかった。

サプライズはひとつだけで

なのになぜ制服なのか。制服でそのままステージに立つのか。人間は複数種の驚きに対処できない。「ソロか!」「制服か!」。一つでいい。制服で歌うのを止めるか、その状況に至る過程を説明しておく必要がある。

一応、開演を前に「不思議な感じ」「らしいね」という突っ込みはある。いやいやいや。これサンシャインの噴水広場でやる無料ライブじゃないから。みくにゃんが今度はネコミミの代わりにスポーク使うくらいのプロ意識のなさだから。

これまでの卯月の性格描写からすると、開演2分前に会場入りしてもう着替える時間ないよ的な状況でやむを得ず歌って後で「制服なんかでステージに立ってごめんなさい」となる。我を通して衣装に制服を選ぶなら、その思いをどこかで描かなくてはならない。

制服は「らしいね」ではなく、ギリギリのタイミングで会場入りしてスタイリストが慌てて衣装を持ってくるところを「このまま出ます」「でも…」(制する武内P)みたいなのを経て、ようやくサプライズでなくなる。

何より悔しいのは、これ書くために見返してると、3回目くらいから「まあ制服だよね」となり、5回目くらいになると「当然制服でしょ」と作り手の術中に嵌まることだ。

自分はそれを1回目から得たかったんだよ!

モバマス微課金兵で「S(mile)ING!」の存在は知っててもアニメ作中でのソロデビューはサプライズだった。そのサプライズだけを思い切り味わいたかった。

だいたい、なぜ仲間の声援によって意を決したのか。

仲間の声でようやく卯月は顔を上げる。その前に、凛と未央と抱き合って思いを伝え、手を繋ぎ、独りではないと送り出されたにも関わらずだ。なぜもう一度繰り返す必要があるのか。

仲間もいる。ファンもいる。ならば、というのなら駄目押しする意味もある。照明に隠れながらも、ハッキリと見える最前列のファンの顔。意を決して放つ「島村卯月、頑張ります!」。これでいいのではないか。

本番中にデビュー済みのアイドル、プロとして杏さえ覚醒したアイドルグループが、揃って声出すわけない。幼児が一人混じっているのでいてもたってもいられずに叫び、それを追う形で他のみんなも、というのならまだわかる。後でみくにゃんに〆られるけど。

前日、いや当日の直前にまで迷ってる。それを待ち続ける武内Pというのは、信じるにもほどがある。

それを許す老舗プロダクションの常務というのも存外に懐が深い。苛烈にして果断な決断で結果を出すキャラとして登場しておきながら、悪役になり切れない。なので卯月に投げる言葉も応援にしか聞こえない。有能で優しいとかもうヘイトを集められない。後方のヒーラーがなぎ倒されて死ぬ。

ライブシーンはPower of Smileを作画で見せつけることに成功していたので全く不満が無い。「愛を込めて、ずっと歌うよー!」を受けた伏線回収のトドメとなる凛の笑顔。泣いた。

この心の底からの笑顔。なんだこの作画は

しかしまあ、卯月は月ながら恒星であり凛の方が笑顔は受動的だ。

布石をもうひとつ

ではどうすればよかったのか。単なる時間の問題ではなく、拡大版は無理なので割愛する。

24話は卯月と竹内P、常務、凛の3線で話が進む。

会社パート

常務のポエム→武内Pへの警告→部長との会話→ライブ会場での得心

卯月パート

凹む卯月→仲間との対話→武内Pとの選択→開演前の和解→ありがとうございました

NGSパート

立ち上がる凛→星集める凛→泣き笑う凛

パッションちゃんみお→パッションちゃ(略

パッションPなら、ちゃんみおの伏線回収が響くのだろうか。クールPやってるとパッションPを選ばなかった自分を責めるよね。趣味を仕事にしちゃいけないみたいなやつ。

でまあ、切るとしたら、冒頭の常務のポエムくらいしかない。卯月の学校での逡巡は尺があればもっとじっくりやりたいくらいで、かつかつだ。みんなが応援→全Pが応援ゆえに振り返りシーンもやるしかない。

となると、冒頭の常務ポエムは抜きで、頭を下げる卯月でタイトルコール。これで良かった。この時間で、パシフィコで決心して時計を見る武内Pのカット=時間ないので許した説、を補強できる。開場してから会場に飛び込んでるから、時間ないのは確かなんだよね。

徹底的に、普通の怖さと踏み出す怖さに潰されそうになる卯月を描いたのは分かる。キャラゲーのアニメでこれは一歩間違えれば蛮勇だ。その上で、アイドルを最大限出す意味があるシナリオを免罪符に不安を描ききるという、いろいろな要素を最大限成立させる最適解に近い。だからこそ、制服を選ぶのは演出上「らしい」のではなく、「卯月らしい」と視聴者側にも思わせてほしかった。

すべての疑問を吹っ飛ばす笑顔で締めただけに悔しくて仕方がない。でも7回くらいみるともう何の疑問も湧かないので、25話はせめて2回で分かりたい。と訓練の足りない自分が悪いのかと思いつつ最終話前の総集編を待つ。

尊い

コメント

タイトルとURLをコピーしました