無職転生Ⅱ第7話「獣族令嬢拉致監禁事件」は、原作の爆笑シーンをストレートにコメディとして描いた回だった。文字で読んだときと同様に、映像でも笑いが出たのは正直驚いた。が、失ったものもまた多い。
ネタバレ回避のあらすじは以下。
ザノバとジュリと共に人形を作っていたある日、ルーデウスはかつて自分が作り、流れ着いてザノバが手に入れたロキシー人形のことを思い出す。ザノバに確認をするが、人形はバラバラになっていた。獣人族のリニアとプルセナとの決闘に負け、破壊されたという。怒りに震えるルーデウスは…!?
https://mushokutensei.jp/story/2-07/
フィッツの日常
アバンはルディのことばかり考えているフィッツさんの日常シーンから。
起床して魔術で水を作り洗顔、帽子をかぶってトレーニングへ。ルーデウスのトレーニングシーンの背景に映っていたフィッツさんと同じ格好である。
授業はルディに習ったことばかりでつまらないとフィッツさん。授業中にルディの似顔絵を描いている。アリエル様とルークと連れ立って歩くときに、ノトスの話に。ルークはアスラ王国の上級貴族の一つノトス・グレイラット家の生まれ。女好き、しかもお胸が豊かな人に限る、という性癖がある。
杖の魔石をのぞき込み、またまたルディのことを考えるフィッツさん。ルディとどうなりたりたいんだろう…と顔を赤らめたところでCM入りだ。
ザノバの嘘
CM明けはフィギュアづくりにいそしむジュリのお話。ルーデウスの弟子としての指導の下、無詠唱魔術を使い始めるジュリ。フィギュア造りの初動は順調…なのだが、ザノバがジュリにお手本としてルイジェルド人形を披露していると、ルーデウスは「ロキシー人形の方はどうしたのですか?」と無邪気に尋ねる。
冷や汗をかき、シーローン王国に置いてきた…と嘘をつこうとするも、嘘と見破ったルーデウスに迫られ、バラバラになった人形をルーデウスに差し出すザノバだった。
原作では、師匠には嘘をつかない、ということでザノバがその場しのぎの嘘を口に出すことはない。あるにはあるのですが…、切り出す。これは後になってザノバが取る行動を知っていると、ザノバのキャラクターを決める上でかなり大事な要素と思う。
嘘をつこうとしてルーデウスに瞬時に見破られるザノバ、というアニメ版は掛け合いとして分かりやすい。ただ、その場しのぎの嘘を口に出した、という描写は、王族であるザノバの生い立ちから今後までの中で、あまり褒められたものではない。
リニアとプルセナ
リニアとプルセナとの決闘で、ザノバの大切なものとして賭けた結果なのだという。
ルーデウスは早速復讐の段取りを進め、リニアとプルセナを待ち伏せする。
待ち伏せして挑発し、リニアとプルセナと戦闘状態に入るルーデウスたち。獣族の得意技の一つ、相手を麻痺させる声魔法的な何かでプルセナが咆哮しようとしたところを土魔術で砂の煙幕で封じ、リニアを魔眼で見ながら掌底でワンパン、足をすくって倒したところを踏みつけ、岩砲弾で気絶させる。プルセナも泥沼で動きを止めて岩砲弾で仕留める。
挑発時にリニアがブチ切れる際、原作では「じいちゃんの知り合いみてぇだから見逃してやってた」と啖呵を切るのだが、アニメ版では出てこない。5話でルーデウスがギュエスにはお世話になりましたとリニアに切り返すシーンも無かったので、丸ごと切り落とすのかもしれない。
ルーデウスの鬼畜ぶり、完全映像化
リニアとプルセナを拉致し、フィギュアの一件を問い詰めるルーデウス。
試しにプルセナの胸を揉んでみるものの、EDに改善の兆しはない。ヒトガミに魔法大学で治ると言われているので、隙あらば試みてしまうルーデウスだった。一緒にザノバだけでなくジュリもいるのにね。
ロキシーのご神体を掲げ、いかなるほどの神への冒涜か知らしめようとするルーデウス。しかしアニメにするとどぎついなこれ。だがそういう男なのだルーデウスは。
監禁したまま、処遇に困るルーデウスは、フィッツさんの助けを借りる。フィッツとともに監禁部屋に戻ると、身動きできないまま失禁しまくりのリニアとプルセナが。これもどストレートに映像化しているがまあ凄い絵面だ。
かつてリニアとプルセナをしばいたことがあるフィッツ先輩なので、容赦はしない。ルディの薫陶を受け、転移事件を生き延びたフィッツさん、対ルディの恋愛以外はかなりの手練れである。
リニアとプルセナには、魔術で永久に残る入れ墨に変化すると脅した落書きを顔に描くフィッツさん。これはハッタリで、魔力を流すと簡単に消える塗料でしかないのだが。
去り際に、リニアに魔術師のくせにどういう訓練してんだ?と問われたルーデウスは、師匠がギレーヌであることを明かす。剣王ギレーヌか、と納得したようなリニア。ギレーヌはリニアからは叔母にあたる。
リニアとプルセナを解放し、ルーデウスの部屋で歓談するフィッツさん。素顔を見せる、見せないのやり取りをし、ルーデウスの「素顔を見たら取り返しのつかないことになっていた気がする」というモノローグでエンディングへ。原作では補完があるが、ルーデウスはフィッツがまだ男だと思っているので、まあそういう取り返しがつかないことである。
次回は「絶望の婚約者」
7話で小説版8巻がほぼ終了。次回は「絶望の婚約者」。魔法大学に挑戦者現る、な回である。なろう原作も小説版も「絶壁の婚約者」なのだが、絶望、になっている。
キシリカ・キシリスの婚約者たる不死魔王バーディーガーディー、なのでお胸が貧しい幼児体系のキシリカにちなんでいるところ、ややこしいので絶望にしたのかな。まあ魔王襲来は普通に絶望だわ。
コメント